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27年間のイイとこ取り。これがぼくのプレミア“ライム”!?

2019.10.04

突然ですが、イングランドサッカー界でラップと言えば

 「“オレ”はファーギー生まれ、ヒスロップ育ち!?」

 別にアレックス・ファーガソンの愛弟子に特別な思い入れがあるわけではないし、とりわけ元ウェストハムのGKシャカ・ヒスロップのファンというわけでもない。ただ、世代的にラップと言ったらこういうパンチラインしか思いつかないだけだ(編注:ピンとこないあなたは『Grateful Days』で検索!)。

ファーギーと “オレ”
こちらはウェストハム時代のヒスロップ。ハマーズのほかにレディングやニューカッスル、ポーツマスなどでプレーし2007年に引退。トリニダード・トバゴ代表として2006年W杯に出場している

 さてさて、イングランドサッカー界でラップと言えば、リバプールやイングランド代表で活躍した往年のジョン・バーンズを思い出す人も多いはずだ。テクノロックバンド「ニュー・オーダー」が1990年ワールドカップに向けて制作した代表応援ソング『World In Motion』の中で、ラップを披露したのがバーンズである。

現役時代のバーンズ。リバプール時代に2度のリーグ制覇をはじめ計8タイトルを掲げている

 当時はポール・ガスコインなどもラップソングを発表していたが、とりわけ話題になったのはバーンズである。今でこそ小馬鹿にされることもあるが、当時は最先端のテクノで「カッコいい」という評価を受け、英国では今でも史上最高のフットボールソングの1つに挙げられることがある。同曲は「ニュー・オーダー」にとって初のUKシングルチャート1位という大ヒットを記録し、バーンズと言えば「あのラップ」という印象が定着したのだ。

ニュー・オーダーの『World In Motion』

 「胸にはスリー・ライオンズ、失敗するわけがない♪」とノリノリで歌っていたバーンズだが、やはり餅は餅屋だ。音楽はミュージシャンに任せるべきだろう。

 というわけでご存知の方もいるかもしれないが、プレミアリーグの公式YouTubeチャンネル開設記念に発表されたラップを紹介しよう。今夏、「Rapman」というミュージシャンがプレミアリーグとコラボし、過去27シーズンの名場面を振り返る曲を手がけた。その名も『Premier League Wrap Up』だ。

ラップマン
プレミアとコラボしたRapman

ここからは“ノリ”で

 初年度の1992-93シーズンについては、優勝したマンチェスター・ユナイテッドが歌われている。シェフィールド・ウェンズデー戦でのDFスティーブ・ブルースの“ダブルヘッダー” (ヘディング2発)が登場するわけだ。だが、ここで英語のラップをそのまま書いても味気ない。というわけで、勝手に日本語バージョンを作ることにした! 「“ファーが損”しないヘディングシュート」といった感じか。

 続いて、2002年にアーセナルの連続無敗ゲームを30で止めたエバートンの神童も登場する。終了間際に16歳のウェイン・ルーニーが決めた「アーセンも唖然」の衝撃の一発だ。

 もちろんプレミア歴代最多ゴール記録を持つアラン・シアラーや、最多優勝回数を誇るライアン・ギグスの名前も出てくる。そして、劇的な形でマンチェスター・シティがプレミア初制覇を果たした2011-12の最終節についても触れている。

 「マンチーニのマンCに、エースのアグエロ、祝砲あげろ」

 チェルシーに栄冠をもたらしたスペシャル・ワンのことだって忘れてないぞ。待ちに待った50年ぶりのリーグ優勝のあと、翌年には連覇まで果たした。

 「もういいかい?もういいよ。もう一回、モウリーニョ」

 さらには、「あのオッズだけは、誰にも“越せんばい”」で知られるミラクル・レスターだって登場する。

 無論、実際の曲はこんなダジャレではなく、もっとお洒落な曲になっているので「チェキラ」だ。やはりラップはラッパーに任せるべき……あらためて痛感することになった。なにせ、筆者が知る“フロウ”といえば、背の高いノルウェー人くらいなのだ!

背の高いノルウェー人こと“フロウ”
四の五の言わずにさぁ「チェキラ」!


Photos: Getty Images

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田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。

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