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「自国代表がいないリーグ」にベルギー代表選手が続々加入

2019.09.08

コンパニ、ミニョレ、シャドリらが続々と母国リーグへ

 ベルギーが過去最高順位である3位で終えた昨年のロシア・ワールドカップのメンバーには、ベルギーリーグに所属する選手がDFレアンデル・デンドンケル(現ウォルバーハンプトン)だけだった。クラブの規模が小さいベルギーリーグで活躍し、代表に選出されれば、すぐに国外からの高額オファーが舞い込む状況下では、国外組が大半を占めるのは宿命である。現在、国外でプレーするベルギー人選手は40人を上回る。そんな中では、2年連続リーグMVPに輝いたハンス・ファナーケン(クルブ・ブルッヘ)のような選手でさえ、代表初招集はW杯終了後の昨年9月であり、その事実が示す通り、国内リーグの選手にとって代表入りのハードルは非常に高い。

 そんな「ベルギー代表選手がプレーしないベルギーリーグ」だが、マンチェスター・シティを退団したバンサン・コンパニが7月20日にアンデルレヒトに選手兼監督(現在は選手に専念)として戻ってきて以来、風向きが変わってきている。

 8月5日には、リバプールのGKシモン・ミニョレがクルブ・ブルッヘに移籍することが決定した。シントトロイデンでキャリアを始めたミニョレにとっては、9年ぶりのベルギーリーグ復帰となる。同クラブにとっては2015年にマシュー・ライアン(現ブライトン)が退団してから泣きどころだったGKに強力な新戦力が加わり、チャンピオンズリーグ予備予選ではディナモ・キエフ、LASKリンツに勝利し、2年連続のCL本戦出場に早くも貢献している。

GKミニョレはリバプールを退団し、クラブ・ブルッヘに加入。早速ピッチで活躍している

 8月11日にはMFナセル・シャドリが、モナコからアンデルレヒトへと1年間の期限付きでやってきた。W杯のベスト16日本戦では決勝ゴールを挙げた彼は昨季、ウェストブロムウィッチからモナコへ移籍したが、16試合無得点と奮わず。プロキャリアをオランダで始めているシャドリにとっては、アンデルレヒトへの移籍はキャリア初の母国リーグでのプレーとなる。

ロシアW杯の日本戦で決勝ゴールを決めたシャドリは、モナコからアンデルレヒトに

ドゥポワトル、ミララス、デフールらも国内復帰

 5年ぶりの優勝を狙うヘントは、7月23日に元ベルギー代表FWローラン・ドゥポワトルの3年ぶりの復帰を発表した。強靭なフィジカルと利他的なプレースタイルで得点とアシストを量産し、14-15シーズンに初優勝、15-16シーズンにはCLベスト16にチームを導いた功労者だ。当時の盟友で元ベルギー代表MFスフェン・クムスも復帰しており、今季のヘントはダークホースとして注目されている。

 ベルギー最古のクラブ、ロイヤル・アントワープも移籍マーケット終了間際に2人のベルギー代表を獲得している。8月31日にエバートンからFWケビン・ミララス、最終日の9月2日にはバーンリーを退団したMFスティーブン・デフールと契約。フランスのリールでキャリアを始めているミララスはシャドリと同様ベルギーリーグ初参戦、かつてヘンク、スタンダール・リエージュ、アンデルレヒトでプレーしたデフールは3年ぶりの復帰となった。

 なお、過去のインタビューによると、エデン・アザール、ヤン・フェルトンゲンといった国外でプロキャリアを始めた選手たちも、将来的にはベルギーリーグでのプレーに興味を示しているという。彼らのベルギーリーグへの移籍はまだまだ先の話になるだろうが、今後も代表選手たちの動きは見逃せない。

Photos: Getty Images

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シェフケンゴ

ベルギーサッカーとフランス・リーグ1を20年近く追い続けているライター。贔屓はKAAヘントとAJオセール。名前の由来はシェフチェンコでウクライナも好き。サッカー以外ではカレーを中心に飲食関連のライティングも行っている。富山県在住。