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イングランド若手有望株から見たブンデスリーガの魅力とは(前編)

2019.08.25

RBライプツィヒにやって来た2選手

 今季、RBライプツィヒに2人のイングランド出身の若手選手が加入した。1人は、エバートンからやって来たアデモラ・ルックマンだ。2018年の1月から6月末まで、ライプツィヒにレンタル移籍でプレーした経験もある。当時、ドリブラーとして活躍した良い感覚も残っており、今夏に推定1800万ユーロ(約21億円)で完全移籍を決めた選手だ。

 もう1人は、チェルシーから1年のレンタルでやって来た18歳のウェールズ代表DFイーサン・アンパドゥ。チェルシーのクラブ最年少出場記録を更新するなど、将来の活躍を見込まれているセンターバックだ。

 シーズン開幕直前、英国で将来を嘱望されている2人の若手選手が、ドイツ・ブンデスリーガ、RBライプツィヒに対する印象を語った。『シュポルトビルト』に掲載された彼らの話は、現在のドイツ・ブンデスリーガの欧州サッカー界での立ち位置を鮮明に表すものとなった。

選手自身が実感するイングランド育成年代の躍進

チェルシーの下部組織で育ったDFアンパドゥ

 ルックマン、アンパドゥの2人とも、現在のイングランドの育成年代の躍進を実感している。アンパドゥは、「ビッククラブが大金を投じたことで、育成機関にも素晴らしいインフラが整えられたんだ。これは、育成にも役立っている」とクラブ主導のインフラ整備をポイントとして挙げた。ドイツ国内でも、バイエルン、ドルトムント、シャルケと、名のあるクラブが本格的な資金を投入して大規模な育成センターを建て始めている。これも、ライバルの他国の動きに遅れを取ることを危惧した上での動きだ。

 さらに、ルックマンはアカデミー機関の「国際化」を利点としてみている。

 「アカデミーに集まってくる選手たちは、いろんな国からやって来て、それぞれ様々なスタイルのプレーが身についている。お互いに、たくさんのことを学び合える。そうして、チームは多様性を獲得していくんだ」

若手を重視する特性に惹かれてドイツへ

 そのように、アンダーカテゴリーで実績を残しても、イングランドのトップクラブでレギュラーを獲得するのは困難な道のりだ。実績あるトッププレーヤーたちが潤沢な給与を求めてやって来る。競争は、とどまる気配はない。アンパドゥは、若手選手にとってブンデスリーガが理想的である理由を明確に説明している。

「欧州中の若い才能ある選手たちは、ドイツのブンデスリーガが若手選手を信頼して起用している様子を見ている。つまり、そういったタレント候補の選手が新しい移籍先を探すときに、ドイツでのプレーは常に移籍の選択肢として取り上げられるのさ」

 フランス代表のウスマン・デンベレがドルトムントで大きな注目を集め、100億円を超える移籍金でバルセロナに移籍。シュツットガルトのベンジャマン・パバールは、国際的に無名の存在からロシア・ワールドカップの優勝メンバーにまで成長し、バイエルンへ。レンタル移籍でベンフィカのセカンドチームからフランクフルトにやって来たセルビア代表のルカ・ヨビッチは、昨季の活躍で一気にレアル・マドリーへの移籍を決めた。

 こういった成功例が、若手スター候補をドイツに惹きつけている。後編では、その中でも、RBライプツィヒの特殊性を2人の話から見ていく。

→後編に続く


Photos: Getty Images

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RBライプツィヒ移籍育成

Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。