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プレミア上位を目指すボーンマス。ヨットレースと青年監督の熱血指導

2019.08.01

「戦術を立てて、それを信じて戦えば勝てる」

 ボーンマスが興味深いプレシーズンを送っている。ボーンマスは2015年にクラブ史上初となるトップリーグ昇格を果たして以降、すっかりプレミアリーグに定着している。新シーズンの目標は2度目となるトップ10入りだ。そんな戦いに備え、彼らは7月10日から1週間のスペイン合宿を行った。

 スペイン南東部の地中海に面したムルシアに滞在したボーンマスは、合宿中のリカバリー日にヨットレースを行った。インストラクターの指導の下、6チームに分かれてラグーンに浮かべられたブイを回る。「落水したら30秒のペナルティー」が科せられるなど細かなルールを設定。さらに順位ごとに賞品や罰ゲームまで用意された。

 結局、エースのFWカラム・ウィルソンが率いるチームが優勝し、優勝賞品として「午後オフ」を選択した。一方で最下位となったMFダン・ゴズリングのチームは、「ボーイズグループの曲を口パク」という罰ゲームをすることになった。

 レース後にはエディー・ハウ監督が「興味深いレースだった」と総括。「(ブイを)大回りするチームもあれば、直線的に進んだチームもいる。これはサッカーと同じだ。戦術を立てて、それを信じて戦えば勝てるんだ」。

ハウ監督の建設的かつ熱血的指導

 さてさて、確かにここまで本格的なレースは珍しいが、どのクラブだって結束力を高める“チーム・ボンディング”のアクティビティーはやっている。特筆すべきことはないと思いながら他にアップされた動画を見ていると、1本の練習風景の動画に興味を引かれた。

 熱の入った上質な練習内容だが、それ以上に監督の言動が気になったのだ。実は、ハウ監督にはピンマイクが付けられており、練習中に発する指示や激が全て聞こえるのだ。ボールを使った練習になると、彼は選手たちに声をかけ続けた。

 「自信を持て」「いいぞ」「仕掛けろ」と選手たちの積極性を促し、その上でミスした選手のことは「アンラッキー」と励ます。攻撃3人vs守備2人の練習では、最初の数分でわずかに1ゴールしか決まらず、「これではダメだ」と練習を止めた。そして「ふざけたものだ」と厳しい言葉をかけたあと説明に入った。「これは昨季の我々が破壊力を発揮したカウンター攻撃の状況だ。ブルクシー(デイビッド・ブルックス)がゴールを奪えたのは、仲間が外を回る動きをしたからだ。自己犠牲の動きが必要なんだ」。

 すると選手たちは見違えるようにゴールを決め始めた。そして監督も「まるでチョークとチーズ(同じようで全く違うこと)だ」と納得。「大事なのは“ここ”なんだ」と頭を指差した。たまに音が飛ぶのは、恐らく汚い言葉を使っているからだが、それもご愛嬌だ。

 この動画を見たファンからは、「一流の指導」「注意も建設的」「僕も彼の下でプレーしたい」「ボーンマスのファンじゃないけど素晴らしい監督だ」といった称賛の声が寄せられた。


Photo: Getty Images

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エディー・ハウボーンマス戦術

Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。