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「若手にとって素晴らしい手本」川島、ストラスブールと契約延長

2019.07.23

「常に前向き、全力」の川島をクラブは評価

 日本代表GK川島永嗣が、ストラスブールとの契約を2年延長したことを、7月22日、クラブの公式ツイッターが発表した。

 メスからストラスブールに移籍した昨シーズンは、試合に出場したのはリーグアン最終節の1戦のみだったが、彼の存在がチームにとって非常に有益であるとクラブが判断したということだ。

 このニュースを報じた『レキップ』紙の記事にも、「川島は常に闘魂を保ち、若手選手にとって素晴らしい手本となれる。彼のような選手を手元に置くストラスブールの姿勢にも拍手」「彼のように真に価値のある選手がいることはクラブにとって素晴らしい」といった好意的なコメントが並んでいる。

 昨シーズン末にストラスブールのGKコーチ、ジャン・イブ・ウール氏と話したとき、すでにクラブとしては川島に残留してもらいたい意向であると言っていた。川島の、常に前向きに全力で取り組む姿勢は、チームメイト、とりわけ若手選手に非常にポジティブな効果をもたらしていると。なので交渉は主に、川島が条件に納得できるかどうかだったのだろうと思う。

 ストラスブールは、元クラブOBが会長を務め、サポーターも家族的な、リーグアンの中でも飛びぬけて雰囲気の良いクラブのひとつだ。街の住み心地も良い。そういった環境面はこれまで海外で所属した中でも最高レベルだと認めつつ、川島は新シーズンの所属先について、「自分が何をもって挑戦と考えるのか。自分が何に挑戦しているからこの環境を選ぶのか。試合に出たいという気持ちは変わらない。そういう気持ちと、どう自分が折り合っていくか」だと話していた。

 契約延長が成立したということは、川島が、ここが自分が挑戦できる環境であり、なおかつ試合出場のチャンスにも賭けることができる、と判断したということだろう。

新シーズンは2番手の可能性も

 新シーズンの第1GKは、現状のままなら、昨年と同じベルギー人マッツ・セルスだ。入団2年目の彼は、代表でもティボー・クルトワとシモン・ミニョレに続く3番手につける将来有望株。ちなみにセルスは、川島がベルギーリーグのリールセにいた時代のチームメイトでもある。このときは川島が第1GK、セルスはまだティーンエイジャーで、川島がスタンダール・リエージュに移籍した後からプレーするようになった。

 その彼とストラスブールで再会、というめぐり合わせだったわけだが、「当時からポテンシャルはあったけれど、それをうまく使えていない感じだった。でも僕がいなくなった後に(試合に)出るようになって、それからヘントに行って、着実に成長している。その成長の軌跡、成長してきたな、というのを感じますね」と、後輩の成長ぶりを川島はしみじみ語っていた。

 昨年の2番手は、一昨シーズンから所属しているフランスU-21代表経験もある22歳のバングルー・カマラだった。彼が登板したリーグカップでストラスブールは見事優勝を収めており、彼はいわば殊勲賞だったわけだが、リザーブチームでプレーしていた19歳のルイ・ペルティエをプロチームに昇格させたから、昨季も移籍の噂があったカマラは、評価も上がったところで今度こそ新天地へ、という目論見もあるのかもしれない。そうなれば今季は川島が2番手となる可能性もある。

 ストラスブールはヨーロッパリーグに2次予選から参戦する。初戦は今週木曜25日、イスラエルのマッカビ・ハイファを自陣に迎える。

 今週、フランスはまたも酷暑に見舞われていて、この試合の日はストラスブールでも最高気温39度の予想だ。そんな猛暑の中、川島は今日も、新シーズン開幕に向け黙々と汗を流していることだろう。


Photo: Getty Images

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ストラスブール川島永嗣

Profile

小川 由紀子

ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。

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