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もう一度、我がクラブで…イングランドのファンが復帰を熱望する選手とは?

2021.01.16

 どのクラブにも放出を後悔する選手がいるものだ。最近、インテルのデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセン(28歳)に古巣トッテナムへの復帰の噂が出たことを受け、スポーツ情報サイト『The Athletic』がサポーターに「連れ戻したい選手は?」というアンケートを取っていたので紹介したい。

複数クラブがルカクを指名

 チェルシーの場合は単純明快だ。サポーターが名前を挙げるのは、大成する前に手放してしまった一流のタレントたち。今ではライバルクラブで輝きを放っているマンチェスター・シティのケビン・デ・ブルイネやリバプールのモハメド・サラーを挙げる声が多い。もちろんエデン・アザールを推す声もあるし、「2009年のディディエ・ドログバ」や「今のチームには強い精神力が必要なのでジョン・テリー」とクラブの英雄を懐かしがる者もいる。

 インテルでゴール量産中のロメル・ルカクも人気銘柄だ。彼の場合はチェルシーだけでなく、「今の代理人と手を切ったら」という条件で復帰を願うエバートンのファンもいる。さらには「セリエAの優勝争いを捨てて、血みどろの残留争いでもいいのなら」と、ウェストブロミッチのサポーターも1シーズンのローン契約で17ゴールを叩き出したストライカーに期待する。

 そんな中で興味深いのはサウサンプトンだ。フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)やアダム・ララーナ(ブライトン)といった名だたる選手を差し置いて、最も熱望されているのがセルビア代表MFドゥシャン・タディッチ(32歳)だ。

 タディッチは2014年にロナルド・クーマン監督(当時)が連れてきた左利きのテクニシャンで、サウサンプトンでは攻撃の軸として4シーズン活躍するも、2018年にアヤックスに移籍した。移籍の理由についてタディッチは、元オランダ代表のアンディ・ファン・デル・メイデのYouTubeチャンネルに出演した際に「プレミアリーグでは毎試合のように蹴られ、いつもアイシングをしていた。攻撃の選手が保護されていない」と明かしていた。

 そんなタディッチは、アヤックスに移籍すると得点王1回、アシスト王2回という活躍を見せ、2019年にはチームをUEFAチャンピオンズリーグ4強に導いている。セインツのサポーターが彼の名前を挙げるのも納得できる。

サウサンプトンのファンはタディッチの復帰を熱望しているようだ

ラムジーへの熱烈ラブコール

 一方、DFラインに故障者が続出しているリバプールのファンが求めるのは守備陣の補強だ。「こんなことを言う日がくるとは思わなかったが、デヤン・ロブレンに戻ってきてほしい」と書き込むファンもいる。他には「ジェラードと言いたいところだが、守備陣の危機を考えるとヒーピアだ」と訴えるファンも。

 確かに全盛期の元フィンランド代表DFサミ・ヒーピアが戻って来てくれたら頼もしいだろう。ヒーピアは1999年から10年間もマージーサイドで活躍したCBで、2002年にはクラブキャプテンを任された。彼に腕章を託したのは、今は亡きジェラール・ウリエ監督(当時)だ。「サミにはクラブ史上初の外国人キャプテンになってもらいたかったのさ」と、昨年12月に他界した名将は教え子について語ったことがある。

 結局、クラブキャプテンを務めたのは1年ほどで、その後はジェラードに腕章を譲ったが、後任を任されたジェラードも「(キャプテン交代に)サミは文句を言わず、非常に協力的だった。このクラブの偉大なOBの1人だと思う」と振り返ったことがある。現在、腕章はイングランド代表のジョーダン・ヘンダーソンに引き継がれており、リバプールのクラブ史において“ブリテン諸島”以外の出身者としてクラブキャプテンを任されたのはヒーピアだけなのだ。

 「戻ってきてほしい選手」のアンケートで、最も名前が見られたのは現在ユベントスに所属するウェールズ代表MFアーロン・ラムジーだ。「彼がいなくなってアーセナルは変わってしまった」「フリーで手放したなんて信じられない」「今のアーセナルには彼のようなハードワークする姿勢が必要だ」といった書き込みが目立ったが、彼を求めるのはアーセナルのファンだけではない。

 「うちのクラブで最後のひと花を!」と期待するのは、ラムジーが若手時代を過ごしたカーディフのファンだ。さらには、彼がわずか6週間だけローン契約で過ごしたノッティンガム・フォレストのファンまで「ラムジーの名前を出していいかな?」と、控えめにラブコールを送った。

こうやって名前を挙げてもらえる選手こそ、真のレジェンドなのかもしれない。


Photos: Getty Images

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アーセナルアーロン・ラムジーチェルシーリバプールロメル・ルカク移籍

Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。