8シーズンぶりとなるACLEに向けた貴重なレッスン。柏レイソルが雨の日立台で手にした確かな教訓
太陽黄焔章 第39回
昨シーズンの躍進がもたらしたのは、今季のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)への出場権。9月16日から柏レイソルは、実に8シーズンぶりとなるアジアの戦いに身を投じていく。ただ、もちろん大半の選手にとって未知の世界であり、さまざまな困難が待ち受けていることは間違いないところ。日立台で戦った横浜F・マリノス戦からは、さまざまな教訓を得ることになった。
雨の日立台。失われたボールコントロール
9月6日、日立台には試合前から強い雨が降り続いていた。
横浜F・マリノスをホームに迎えた一戦。柏レイソルは立ち上がりから相手陣へ進入し、両サイドを使った攻撃でゴール前へ迫る場面を作った。前半7分には、弓場堅真のクロスに対し、左サイドの遠藤渓太がヘディングで合わせるという、柏得意のウイングバックからウイングバックへの攻撃で決定機も訪れた。
しかし、優勢に試合を進めていた中で横浜FMに先制を許すと、時間の経過とともにミスが増えて徐々に流れを失っていく。後半にも自陣でのミスから1失点を喫し、0-2で敗れた。
柏にとって難しかった要因の一つが、雨の影響を受けたピッチコンディションだった。
柏はボールを保持しながら相手を動かし、選手一人ひとりの流動的なポジショニングで空いたスペースを使うことで前進していく。そのためには連動性に加え、一つひとつのパスに高い精度が求められる。ところがこの日は、いつもなら通るパスがピッチコンディションの影響を受けて止まるなど、至るところでミスが散見され、それを相手にカットされる場面が目立った。
「アジアを舞台に戦っていかなきゃいけない中で、こういう天候や自分たち以外のものに左右されているようでは難しい。雨だし、ピッチコンディションが良くないからしょうがないではなく、どんな状況であれ高い質を求めてやっていかないと」(古賀太陽)
アジアの戦いのカギは環境への適応
9月16日から、柏にとって8シーズンぶりとなるAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の戦いが始まる。横浜FM戦で直面した問題は、これからアジアを戦う柏にとって軽視できない課題だった。
古賀は今季の開幕前、ACLEについて語った際にも、環境への適応をポイントに挙げていた。
「ボールも違いますし、ピッチコンディションも全然違う。スタジアムも慣れていませんし、それこそ前のレギュレーションとは違ってリーグステージも一発勝負です。だから相手と対戦した情報もありませんし、そこにストレスを感じないための準備が大事だと思います」
また、瀬川祐輔は8年前の柏と、川崎フロンターレでACLを経験している。特に川崎では、2024/25シーズンのACLE準優勝を経験したメンバーの一人である。そこで知ったのが、Jリーグでは遭遇しない環境で戦う難しさだった。
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Profile
鈴木 潤
2002年のフリーライター転身後、03年から柏レイソルと国内育成年代の取材を開始。サッカー専門誌を中心に寄稿する傍ら、現在は柏レイソルのオフィシャル刊行物の執筆も手がける。14年には自身の責任編集によるウェブマガジン『柏フットボールジャーナル』を立ち上げ、日々の取材で得た情報を発信中。酒井宏樹選手の著書『リセットする力』(KADOKAWA)編集協力。
