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運命のJ1最終節 北健一郎が語る優勝の行方

2019.12.04

2019年12月7日(土)、2019シーズンJリーグは最終節を迎える。注目は横浜F・マリノス-FC東京の“優勝決定戦”。首位のマリノスは勝てばもちろん、負けても3点差以内であれば15年ぶりの優勝が決定する。過去、数々のドラマが生まれてきた最終節の見所は。サッカーライターの北健一郎氏に今シーズンの両クラブについて話を聞いた。【PR】※この記事はRabonaの提供で配信いたします。

2019シーズン好調の要因

――J1はいよいよ今週末、最終節を迎えます。言わずもがな横浜F・マリノス-FC東京が目玉カードですが、北さんは今シーズンのこの2クラブをどのように見ていましたか?

 「まずマリノスはポステコグルー監督2年目で昨年から継続しているスタイルの積み上げがありました。自分達でボールを保持して、相手を押し込むという日本のマンチェスター・シティのようなスタイル。今シーズンはそのサッカーに必要なピース(選手)もハマったという印象ですね」

――FC東京はいかがでしょう?

 「元々高いポテンシャルを持った選手たちに、長谷川健太監督がプロフェッショナル・イズムを植え付けたことで隙がないチームになった。選手から話を聞くと、オフ・ザ・ピッチでも厳しい。例えばミーティングに参加する服装のルールや、トレーニング30分前には筋トレルームに集合が求められるなど、生活面も指導されているようです」

――オフ・ザ・ピッチの規律はピッチにも影響しますか?

 「すると思いますね。やるべきことをやるということ。球際を戦う、ボールを失ったらすぐ戻る。求められる仕事が整理されていて、それを遂行できない選手は試合に出場できない。この基準はブレてしまうことが多いのですが、長谷川監督は久保に対しても特別扱いをしなかった。このマネジメントによってFC東京の選手達の能力が引き上げられたと思います。東、永井、高萩……良い選手ですけど、突き抜けきれなかった。しかし、今は1つ上のステージにいった感じがします」

チームに規律を植え付けた長谷川健太監督

――両クラブに共通するのは指揮官が就任2年目という点です。長谷川監督はガンバ大阪時代も2年目で3冠(Jリーグ、ルヴァンカップ、天皇杯)を達成するなど結果を残しています。

 「2年目の重要性は選手の編成に関われるところ。就任のタイミングでは編成(補強)が既に進んでいて、いわば“与えられた駒”で戦わなければいけない状況というケースが多い。なので、1年目で結果を出せるのはコーチからの内部昇格以外では難しいと思いますね」

――他クラブとは一線を画すアプローチを行うマリノスの補強の成功はCFGとの提携の効果を改めて示す形となりました。

 「マリノスの補強がすごいのは、必ずしもJリーグの中でもトップクラスの評価を得ている訳ではない選手を獲得して活躍していることですね。外国人選手もビッグネームではない。クラブ、監督としてやりたいサッカーがまずハッキリしているからこそ、必要な選手の特徴が具体的になるのだと思います。『ビルドアップに長けたSB』『スピードがあってカバーができるCB』『サイドの1対1で剥がせるWG』とか。

 あと、獲得する選手は能力に偏りがあるのも面白い。例えば、夏に名古屋から獲得したマテウスは1対1の仕掛けは最高ですが、戦術理解度はそこまで高いとは思えない。ただ、役割が明確なので輝ける。ポステコグルー監督のサッカーは個々の動き方、役割が細かく決められているからこそ補強が成功している側面もあると思います」

ポステコグルー監督のサッカーにフィットする的確な補強が行われた

――一方、FC東京は前半戦を牽引した久保建英選手が移籍で抜けた中でも勝ち点を重ねました。

 「スペシャル・ワンですよね。FC東京の攻撃においてアタッキングサードでの違いをつくっていたのは彼でした。彼の穴を埋められる選手はいない。ただ、代わりに出場した選手達は久保ほどのクリエイト能力はなくとも守備面での貢献度は高いので、後半戦のFC東京は少し受け身の状態で、ボール奪取からカウンター攻撃という形により特化されました」

――現在のFC東京には大森選手、丹羽選手、そして、この夏に加入したオ・ジェソク選手と、他クラブで長谷川健太監督の下プレーした経験のある選手が在籍していますが、どのようなメリットが考えられますか?

 「“教え子”を連れてくるメリットはフィットが早いこと。(FC東京に在籍している3選手は)主役というタイプの選手ではないですが、長谷川健太イズムを叩きこまれた名バイプレーヤーで、監督の求めるものを誰よりも理解しているという点で新戦力であって、新戦力ではない。特にオ・ジェソクの加入は小川諒也の負傷でSBが手薄になっているタイミングだったので、即起用できる選手の獲得は大きかったと思いますね」

――最終節前なので少し気が早いですが、両クラブの今シーズンMVPを教えてください。

 「マリノスはチアゴ・マルチンスか仲川輝人……どちらか1人は選べない(笑)!チアゴは今のJリーグで最強DFだと思います。ポステコグルー監督のサッカーは極端にハイラインじゃないですか。攻撃時はSBが偽SBとしてインサイドにポジションを取るので、実質センターバック2枚で守る時間帯も長い。(センターバックでコンビを組む)畠中槙之輔はかなりビルドアップに関与するので、ボランチのようなポジション取りをする中で、あの広大な背後のスペースを1人で守らなければならない状況も多い。チアゴありきのサッカーですよ。

 仲川はここまでブレイクするとは思っていませんでした。専修大学時代から裏への飛び出しは素晴らしいものを持っていましたが、右からカットインして左足でシュートする型を習得したことが大きかったと思います。エジガル・ジュニオという得点源がシーズン中に離脱してもマリノスが得点力をキープできたのは彼による部分が大きいはずです」

横浜F・マリノスのハイラインを支えるチアゴ・マルチンス選手

――では、続いてFC東京をお願いします。

 「FC東京は難しい。誤解を恐れずに言えば、このチームは8人のハードワーカーと2人のストライカーというサッカー。誰か選ぶとするならば、2トップのディエゴ・オリベイラか永井謙佑ですね。長谷川監督のサッカーのキーマンですし、2人がハマったというよりも、この2人にハマりやすいサッカーを構築できたことが好調の要因だと分析しています。どちらか欠けた際の攻撃の手詰まり感を見ても、彼らへの依存は大きかったと思います」

今シーズンは日本代表でも活躍した永井謙佑選手

――優勝争いはマリノス優位の状況です。マリノスは最終節の直接対決で3点差以内であれば敗戦でも優勝が決まる中で、どのような試合展開を想定されますか?

 「マリノスの立場から考えるとポステコグルー監督は最後までブレないと思います。相手に合わせて対策するのではなく、自分達のサッカーを貫いて勝つというスタイル。そうなると今シーズン1回目の直接対決(※FC東京4-2横浜FM)の時のようなFC東京の狙い通りのカウンターで得点される可能性が高まる。FC東京の8枚で守って、強力2トップで攻めるFC東京との相性は悪いので、通常時の対戦であればFC東京有利ですよ。ただ、状況が状況ですし、FC東京の2トップの怪我の状況も気になりますね」

――マリノスは今シーズン、セレッソ戦は2連敗ですが、守備面での対策をしてくるチームを苦手としている印象です。

 「第11節のセレッソ戦(※0-3で敗戦)はマリノスにとってターニングポイントだったと思います。あの試合後も相手に合わせたサッカーではなく、自分達のサッカーを貫いた。ポステコグルー監督はよく『リーグ戦で勝つためのチームを作る』と発言されていますが、安定的に勝ち点を積み重ねるには、自分達がボールを保持する時間を長くして、常に攻め続けられるサッカーをする方がいいという考え方ですよね」

――当日は満席が予想される中で、そのシチュエーションが双方の選手達にとって心理的にどのような影響を与えるのかも気になります。

 「こればっかりは選手達本人に聞かなければ分かりませんが、ホームのマリノスの方がプレッシャーを感じている可能性はあるのかもしれませんね。優勝がかかる大一番で満員のスタジアムという状況を何度も経験している選手はいないでしょうし。双方にとって決して簡単な試合にはならないと思いますが、良い試合を期待したいですね」

北健一郎流「Rabona」の楽しみ方

――ところで、今回は選手にフォーカスする形で優勝争いの2クラブについてお話頂きましたが、北さんはチームではなく選手個人に注目して試合を観戦することはありますか?

 「ありますよ。僕はプレーヤーとしては身長も低くて、足も遅かったから、フィジカルではなくテクニックで勝負している選手はついつい応援しちゃいますね」

――“推し”を見つけると、Jリーグ観戦がより楽しくなりますよね。まだ推しがいないサポーターの方におススメの探し方を教えてもらえませんか?

 「難しく考えることはないと思います。女の子なら『顔がカッコいい選手』でもいいし、『同じ出身の選手』という基準も定番ですよね」

――北さんが若かった頃は“ファンタジーサッカー”も流行していたので、ゲームをきっかけに気になる選手を見つけるというケースもあったのではないですか?

 「2000年代の前半くらいに流行ったので、毎週やっていましたね。ただ、実は最近また始めたんです。『Rabona』というゲームを見つけて。僕の中で第二次ファンタジーサッカーブームが起きています(笑)。これ、すごいんですよ。昔と違って賞金が出るからより熱が入ります(笑)」

――「Rabona」を始められて、北さんのサッカー観戦に何か変化は起きましたか?

 「自分が応援しているクラブ以外の選手にもより目線を向けるようになりますね。直近数節は活躍しているのか、次の試合は起用されそうなのか。『Rabona』においては共に重要な部分です」

――かなり研究熱心な印象を受けます。北さん流の「Rabona」必勝法があれば教えてもらえませんか?

 「いや、実は結構ロマンを追いかけるタイプの予想をするんです。昔、ファンタジーサッカーにはまっていた時も北海道出身なので、山瀬功治を常に選んでいました。覚えているのは、山瀬が当時在籍していたレッズがヴェルディに7-2で勝った試合があって、ハットトリックを決めたんです。その結果、僕のランキングも急激に上がって。好きな選手を信じ続けて良かったなって思いましたね」

――「Rabona」でも投票率の低い選手を選ぶ(ドラフト)とポイントが付与されるルールになっているので、意外にロマンとは言い切れないかもしれませんよ。

 「そういう意味では、熱心なサポーターは応援するクラブの練習を見学されているじゃないですか。そこで得た情報を予想に反映させるという楽しみ方もあるかもしれませんね。『紅白戦でスタメン組に入っていた●●選手に賭けてみよう!』とか、スカウティングじゃないですけど、リアルとつながっている面白さはあると思いますね」

真剣な表情で「Rabona」の楽しみ方を語る北健一郎さん

――では、最終節にむけて実際に北さんに「Rabona」で11人をドラフトしてもらおうと思います。まずはGKをお願いします。

 「林彰洋(FC東京)。『Rabona』のルール的に単純に失点数が少ないチームの守護神がポイント的に有利なので」

――さすがユーザー!さきほどのロマンの話はどこにいったのかとは思いましたが、ツボを押さえていますね。

 「ふふふ(笑)。けど、DF3枚はロマンですよ。福森晃斗(札幌)、谷口彰悟(川崎)、畠中槙之輔(横浜FM)。繋げる3人を選びました」

――この人選もいいと思います。特に福森選手はセットプレーでの得点やアシストで大量ポイント獲得の可能性があります。

 「畠中選手はアシスト、谷口選手はヘディングでのゴールを期待しています!」

――次はMFの3人を教えてください。

 「大島僚太(川崎)、チャナティップ(札幌)、稲垣祥(広島)の3選手にしました」

――この3選手のドラフト理由は何でしょうか?

 「大島とチャナティップは単純に僕の推しです(笑)。稲垣選手はこのチームが攻撃的で大変そうなので、中盤で走り回って守備を頑張ってくれる選手を1枚置きました。一応、実際に戦えるようにバランスも考えているんですよ」

――残り4選手はFWですね。

 「イメージ的には左に宇佐美貴史(G大阪)、右に仲川輝人(横浜FM)、最前線にディエゴ・オリベイラ(FC東京)で、トップ下が古橋亨梧(神戸)です」

北さんがドラフトした「Rabona」の最終節イレブン

――本当にバランス考えていますか?(笑)稲垣選手への負担が大きすぎますよ。

「稲垣選手には3人分働いてもらいます(笑)。けど、こういう現実ではあり得ない編成を出来るのが『Rabona』の楽しみでもあります。試合毎に変えてもいいし、シーズンを通じて固定という楽しみ方もあると思います」

――今日はありがとうございました。J1最終節を楽しみましょう。

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FC東京横浜F・マリノス

Profile

玉利 剛一

1984年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリ開発等を担当。仕事と並行して通学した筑波大学大学院でスポーツ領域の修士号を取得。サポーター目線をコンセプトとしたブログ「ロスタイムは7分です。」管理人。電子書籍「センチメンタルライフ」好評発売中。