SPECIAL

「労働者のサッカー」が合うシステムを求めて。ドルトムント新監督マルコ・ローゼの実験は続く

2021.12.04

現地時間12月4日、ブンデスリーガで2位につけるドルトムントは本拠ジグナル・イドゥナ・パルクで首位バイエルンを迎え撃つ。ライバル同士が勝ち点1差で激突する伝統の一戦“デア・クラシカー”を前に、マルコ・ローゼ新監督の下で「労働者のサッカー」を体現するホームチームを、ケルン体育大学大学院でゲーム分析を学ぶcologne_note氏に分析してもらった。

 「ドルトムントには労働者のサッカーが合う」

 今夏ドルトムントの新指揮官に任命されたマルコ・ローゼは、監督就任会見でクラブにふさわしいスタイルを問われ、答えた。

  「それは、走ることに多くの力を注ぎ、ボールを保持していない時は労を厭わず、スタジアムのサポートを受け、ボールを奪い素早く切り替えるということ。そして良いサッカーをして、相手を圧倒することもこのクラブでは求められている」

 ドルトムントの本拠は、コロナ禍以前は欧州最大の平均観客動員数を誇っていたジグナル・イドゥナ・パルク。“黄色い壁”を作り上げるサポーターの大声援を勢いに変えていくアグレッシブなサッカーを標榜するローゼは、本人の言葉を借りれば「ボール保持時はバックパスや横パスは少なく、ゴール方向前方を強く意識させる」指導者。「ボールを失ったら凄まじい速さでボールを奪い返す。ボールを奪ったら一番に目指すべきはゴールだ」とも明言している。

ブンデスリーガ第10節ケルン戦で本拠ジグナル・イドゥナ・パルクに押しかけ、マフラータオルを掲げて応援するドルトムントのサポーターたち

 縦攻撃と即時奪回に重きを置く哲学は、かつてスポーツディレクターとしてローゼをザルツブルクU-16監督に登用したラルフ・ラングニックのそれに通ずるものだ。そこに「我われの抱える選手をもとに、ポジショナルプレーからも解決策を見つけたい」とアクセントを加える戦術家は、あらゆる局面でゲームを支配することを望んでいる。

興味深い[4-3-1-2]で好発進も…

……

残り:3,431文字/全文:4,253文字
この記事は会員のみお読みいただけます

会員登録はこちら

プレミア会員 3つの特典

雑誌最新号が届く

会員限定記事が読める

会員限定動画が観られる

「footballista」最新号

フットボリスタ 2022年1月号 Issue088

08-09ペップバルサから2021川崎Fまで。革新チームで振り返る15年の戦術進化 [特集]2006-2021サッカー戦術ヒストリア フットボリスタ創刊15周年記念号

10日間無料キャンペーン実施中

TAG

ドルトムントマルコ・ローゼ戦術

Profile

cologne_note

ドイツ在住。日本の大学を卒業後に渡独。ケルン体育大学でスポーツ科学を学び、大学院ではゲーム分析を専攻。ケルン市内のクラブでこれまでU-10 からU-14 の年代を指導者として担当。ドイツサッカー連盟指導者B 級ライセンス保有。Twitter アカウント:@cologne_note