SPECIAL

アーロン・ラムズデイル。本能と度胸で攻守を支えるアーセナルの新守護神

2021.12.02

8月21日、アーセナルは最大3000万ポンド(約45億円)といわれる移籍金でアーロン・ラムズデイルを獲得した。発表当初は3シーズンにわたりチームの窮地を救い続けてきたベルント・レノが不動の存在で、高額のGK補強に疑問の声も挙がっていたが、序盤戦で早くもゴールマウスを任されたラムズデイルは圧巻のパフォーマンスを披露。批判を黙らせるどころか、10月のクラブ月間最優秀選手に選出されるなど、一躍脚光を浴びている新守護神の「本能と度胸」をGK分析家のレネ・ノリッチ氏が解説する。

腕の長さを生かす本能的な片手セーブ

 今夏シェフィールド・ユナイテッドからアーセナルに加入したイングランド代表GKアーロン・ラムズデイルは、移籍後初のプレミアリーグ出場となった第4節ノリッチ戦でいきなりクリーンシートを達成。開幕3連敗を喫していたチームに今季リーグ戦初勝利をもたらすと、復調の立役者としてドイツ代表GKベルント・レノから定位置を奪取している。188cmの恵まれた体躯を誇る新守護神の特徴は、その強さと長さを兼ね備える両腕を生かしたプレーだ。

 まず目を見張るのは、ダイビングにおいてボールを弾き出すパワー。GKはシュートやクロスなどをキャッチできない場合、可能な限りボールをゴールから遠ざける必要があるが、類稀な腕力で安全圏まで押し返せるラムズデイルは、敵にセカンドチャンスを極力与えない。

 一例が21-22シーズンのプレミアリーグ第7節ブライトン戦、85分のシーン。ラムズデイルから見て右からのクロスに、左ハーフスペースに飛び込んできたソロモン・マーチが頭で折り返してくる。一度逆サイドに振られた後、さらにその反対側へ落ちてくるボールは、並みのGKならば手で触るのが精いっぱい。しかも緩やかに放物線を描いたヘディングは勢いが弱く、球威を利用して跳ね返すのも難しい状況だった。

https://youtu.be/IvfIsWeGkh8?t=321
プレミアリーグ第7節ブライトン対アーセナルのハイライト動画。該当のプレーは5:21から

 しかし軽やかなステップワークで左へポジショニングを取り直した後、プレジャンプで体勢を整えて地面を蹴ったラムズデイルは宙で右腕を大きく振り、力強くボールをはたき出す。ゴール前で待ち構えていたニール・モペイへ渡るのを防ぐと同時に、その背後に詰めてきていたダン・バーンにも拾われないよう、ペナルティスポット付近までボールを一気に弾いてみせた。……

残り:3,222文字/全文:4,248文字 この記事の続きは
footballista MEMBERSHIP
に会員登録すると
お読みいただけます

TAG

アーロン・ラムズデール

Profile

レネ ノリッチ

1994年生まれ、東京都出身。少年団チームにGKコーチがいたことがきっかけでゴールキーパーをプレーし始める。ゴールキックを敵陣ペナルティエリア内まで蹴り込んでいた経験あり(小6)。2018年頃からゴールキーパーのプレー分析記事をブログやnoteに載せ始める。スタジアムでサッカー観戦する場合、GKのウォーミングアップから見始める。好きな選手はヤン・ゾマー、ニック・ポープ。

RANKING