
ヨーロッパ・スーパーリーグ構想に最初から参加せず、各方面からの評価を高めたパリ・サンジェルマン。特にナセル・アル・ケライフィ会長は、欧州クラブ協会の要職に就くなど、存在感を強めている。カタールマネーでフランスの首都クラブを買い取った金満経営者ではあるが、彼は人間的な魅力にあふれた人物でもあるのだ。
大旋風を巻き起こしたかと思ったら、48時間後には頓挫と、あっという間に去っていった今回のヨーロッパ・スーパーリーグ騒動だが、この一件で最大の「勝ち組」と言われているのが、パリ・サンジェルマンのナセル・アル・ケライフィ会長だ。
スーパーリーグ構想の発表と同時期に行われていたUEFAの定例会議で、彼は執行委員に再選された(任期は2024年まで)。それに続いて、欧州の主要クラブで構成される欧州クラブ協会(ECA)のチェアマンにも選出された。
チェアマンはユベントス会長のアンドレア・アニェッリ氏が務めていたが、スーパーリーグ構想発表の後、推進役だった彼はこのポストを辞任。空いた席に真っ先に推薦されたのがアル・ケライフィ氏だったが、彼は「メンバーの1人として、そしてPSG会長としての立場で、全力で協力していきたい」と一度は断っている。しかし4月21日の役員会で、担ぎ出される形で選出された。……
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Profile
小川 由紀子
1992年より欧州在住。96年から英国でサッカー取材を始め、F1、自転車、バスケなど他競技にも手を染める。99年以来パリに住まうが実は南米贔屓で、リーグ1のラテンアメリカ化を密かに歓迎しつつ、ブラジル音楽とカポエイラのレッスンにまい進中。