REGULAR

発揮され始めた抜群のポテンシャル。アルビレックス新潟・シマブク・カズヨシはビッグスワンの主役へと翔け上がる

2026.05.27

大白鳥のロンド 第35回

3年ぶりにアルビレックス新潟へと帰ってきたシマブク・カズヨシが、好調をキープしている。J2・J3百年構想リーグでは3得点2アシストをマーク。とりわけ生まれた3つのゴールは、すべてホーム・デンカビッグスワンスタジアムで叩き出しており、オレンジのサポーターへその存在を強烈にアピールしてみせた。大学進学時に縁のできた新潟の地で、さらなる飛躍を期すシマブクの今に、おなじみの野本桂子がフォーカスする。

続く好調。ビッグスワンを沸かせる3ゴールを記録

 新潟の“カズ”こと、シマブク・カズヨシが好調だ。

 プロ5年目。藤枝MYFCで2年間の期限付き移籍を経て、3年ぶりにアルビレックス新潟でプレーする今季は、J2・J3百年構想リーグ13試合に出場し、3得点2アシスト。「戦う、走る、仕掛ける、規律」をコンセプトとする今季の新潟で、攻守にその推進力を発揮している。

 キャンプ早々の1月中旬に負傷して開幕には出遅れたものの、徐々にコンディションを上げると、地域リーグラウンド後半からはスタメンに定着した。コンディション不良で1試合スキップしたが、復帰した第14節・カマタマーレ讃岐戦(◯2-1)で、クロスに合わせて1得点、自らのクロスで1アシストを記録してヒーローになった。

 船越優蔵監督は「彼の良さは、最終ラインを突破するところ。ボールを持っているときも、いないときも。今日に関しては彼の良さが出た」と、背後への抜け出しから2得点に関わったプレーを評価した。

 続く第15節・徳島ヴォルティス戦(◯1-0)は、カウンターのこぼれ球に詰めて決勝点をマークする。

 さらに第17節・奈良クラブ戦では、後半開始早々の47分、直接FK弾で、サポーターをどよめかせた。ゴールからの距離は約20メートル。ペナルティエリア手前、ほぼ正面から右足を振り抜くと、見事なコントロールショットでネットを揺らす。

 GKから見えづらいよう、手前に味方を2枚置いた壁作りも含めて「狙い通り」という1点だった。直接FK弾は、藤枝MYFCに在籍していた昨季のJ2第27節・愛媛FC戦でも決めている。今季、新潟でもプレースキッカーを任される中で、その期待に応えてみせた。

 今季シマブクの3ゴールは、すべてデンカビッグスワンスタジアムで生まれたもの。チーム最多の5得点を挙げていたマテウス・モラエスが負傷離脱した後を引き受けるかのように結果を残し、新潟がホーム7連勝で、地域リーグラウンドを2位で終える力となった。

 それでも「まったく満足していないんです」とシマブクは言う。「藤枝のときは、左サイドからドリブルでガンガン仕掛けることが多かったので、それが“本当の自分”だと思っていたんです。でも、今は少し中に入って、駆け引きで相手をはがすことにチャレンジしていて。シンプルに味方を使って崩したり、足元と見せかけて背後に抜けたりして、『こういうこともできるんだ』って、どんどん自分の違う良さが見つかっている」。

 これまでも、ボールを持ったときに違いを出せる自信はあった。今は、それ以外の部分で少しずつ成功体験を積み重ねながら、プレーの幅を広げることに意欲的だ。

初ゴールを決めた第14節・讃岐戦の翌日。練習後、小学生との交流イベントで質問に答える様子(Photo: Keiko Nomoto)

ドリブラーとしての自信。藤枝で積み上げた実戦経験

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Profile

野本 桂子

新潟生まれ新潟育ち。新潟の魅力を発信する仕事を志し、広告代理店の企画営業、地元情報誌の編集長などを経て、2011年からフリーランス編集者・ライターに。同年からアルビレックス新潟の取材を開始。16年から「エル・ゴラッソ」新潟担当記者を務める。新潟を舞台にしたサッカー小説『サムシングオレンジ』(藤田雅史著/新潟日報社刊/サッカー本大賞2022読者賞受賞)編集担当。現在はアルビレックス新潟のオフィシャルライターとして、クラブ公式有料サイト「モバイルアルビレックスZ」にて、週イチコラム「アイノモト」連載中。

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