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北中米W杯予選0勝で本大会出場。“未完成”スウェーデンが秘める“もう一つの顔”

2026.04.08

新・戦術リストランテ VOL.112

footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!

第112回は、予選0勝ながらプレーオフを勝ち上がりW杯出場を決めたスウェーデンを徹底分析。新体制下での守備は未整備、ビルドアップも発展途上――その一方で、強力な攻撃トリオが揃えば一変する可能性も秘めている。日本と同組となった“読みにくい相手”の現在地と、対戦時のポイントを探る。

予選最下位からの大逆転出場、そのカラクリ

 欧州予選プレーオフ、パスBでポーランドに競り勝ったスウェーデンのW杯出場が決まりました。オランダ、日本、チュニジアのグループFへ入ります。

 欧州予選グループBでは0勝2分4敗。スイス、コソボ、スロベニアの後塵を拝しての最下位でした。なぜ、これでプレーオフへ進出できたのかというと、UEFAネーションズリーグ(NL)の成績が良かったからです。グループC1の首位でした。なんか納得できない感じもありますが、最初からレギュレーションがそうなっているので不正はありません。

 ともあれ、W杯予選0勝で本大会出場という快挙(?)となったわけですが、プレーオフではアウェイでウクライナに0-3勝利、ポーランドとの決勝はホームで3-2。W杯で日本と対戦するのは3試合目になります。

 スウェーデンは欧州の古豪。1958年、自国開催のW杯での準優勝が最高成績です。1994年米国大会でも3位に入っています。それからするとスウェーデンの参入でグループFは熾烈な争いになりそうなのですが、二強二弱の構図になるかもしれません。プレーオフを見る限り、スウェーデンがチュニジアより強いとは言い切れない感じだったからです。

機能不全の[5-2-3]――ミドルブロックの設計ミス

 昨年10月にポッター監督が就任。プレーオフ決勝は4試合目でした。ブライトンを指揮していたころの印象が強いですが、スワンジー、チェルシー、ウェストハムの監督も務め、キャリアの最初はスウェーデンのエステルスンドなので縁があるのかもしれません。

 [3-4-2-1]システムはポッター色が出ています。ただ、3バックというより5バックですね。ビルドアップもまだまだな様子。守備の方も未完成な感じ。同じシステムの日本と比べると完成度は低いです。

……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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