ゼルビア・チャレンジング・ストーリー 第34回
町田の名を全国へ、そして世界へ轟かせんとビジョンを掲げ邁進するFC町田ゼルビア。10年以上にわたりクラブを追い続け波瀾万丈の道のりを見届けてきた郡司聡が、その挑戦の記録を紡ぐ。
第34回は、初出場で見事にベスト8進出を果たしたACLエリートについて。これまでの戦いぶりを振り返りつつ、アジアの頂点へ立つためにチームが描くロードマップとその進捗に焦点を当てる。
鮮やかな放物線を描いたゴールキックが夜空に放たれたその瞬間、1-0での勝利を告げるホイッスルが鳴り響いた。計8試合のリーグステージを首位で通過し、「それでもコロッと負けることがある」(黒田剛監督)と最大級の警戒心で臨んでいたラウンド16。リーグステージでの対戦時とは「目の色が違った」(中山雄太)韓国の江原FCを、2戦合計1-0で下した黒田ゼルビアは、シーズン開幕前の目標に掲げていたACLエリートベスト8進出を成し遂げた。
一筋縄では行かなかったベスト8までの歩み
あらためてリーグステージからの歩みを振り返ると、決して順風満帆に首位通過を決めたわけではない。クラブ史上初参戦のACLEは、1-1のドロー発進。韓国のFCソウルに食らった高速カウンターからの失点は、この先に苦難の道が待っていることを印象付けた。
Jリーグでは個の力で優位性を作れても、アジアの戦場では必ずしもそうはいかない。カタールW杯に出場した相馬勇紀でさえ、鹿島アントラーズ在籍時以来となるACLEのゲームを終えると、「相手の技術もクオリティも違うし、強さも速さもある分、サッカーの印象が違った」と目を丸くしていた。
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Profile
郡司 聡
編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクション、エルゴラッソ編集部を経てフリーに。定点観測チームである浦和レッズとFC町田ゼルビアを中心に取材し、『エルゴラッソ』や『サッカーダイジェスト』などに寄稿。町田を中心としたWebマガジン『ゼルビアTimes』の編集長も務める。著書に『不屈のゼルビア』(スクワッド)。マイフェイバリットチームは1995年から96年途中までのベンゲル・グランパス。
