4戦連続0-0に打開策は?関根大輝が指摘する「もっと簡単な」戦い方と中村敬斗の使い方【ランス月報・後編】
Allez!ランスのライオン軍団 #25
2025-26シーズンは中村敬斗、関根大輝が牽引する若き獅子たちの最新動向を、現地フランスから小川由紀子が裏話も満載でお届けする、大好評のスタッド・ランス取材レポート。
第25回は、2月の振り返り後編として、フランスカップ8強進出の歓喜から一転、“無音”が続いたリーグ2(2部)4試合の模様を、ランス兄弟の試合後コメントとともにお伝えしたい。
中村「こういうサッカーになるとちょっとやり方がわからなくなる…」
リーグ2の第22節から第25節にかけて、バスティア(17位)、グルノーブル(12位)、アミアン(17位)、そしてモンペリエ(9位)と、スタッド・ランスはいずれも自分たちより下位のチームを相手に0-0のスコアレスドロー。ル・マンとのフランスカップ(○3-0)を含め、公式戦7戦連続のクリーンシートは誇れるが、4戦連続で無得点という事態に陥っている。
第24節のアミアン戦後の会見では、カレル・ゲラーツ監督も、
「3試合も続いたなら、これは偶然ではなく改善しなければならない問題がある」
と表情を曇らせた。この試合の前にも、攻撃面の問題点についてチームでミーティングを行っていたそうで、
「サイドにボールを入れて、3人目の動き出しとか、ボランチが飛び出してくるとか、とにかく深いポケットの部分に走るっていうところはチームとして練習でもやっていたし、ミーティングでもよく言われました」(関根大輝)
「クロスに入っていく人数、クロスに合わせる人数とか」(中村敬斗)
とランス兄弟も、指摘された具体的な修正点を挙げていた。

アミアン戦で登場した、フリーキックを蹴る直前に5人の選手が一斉にボールの軌道方向に飛び込む特殊な形のセットプレーなど、試行錯誤している様子はうかがえるし、いずれの試合でもシュートチャンスはそれなりに作れている。
それでもゴールに繋がらない要因として、とりわけ最初の3試合に共通するのは、相手が必死に守ってゴール前をガッチリと固められていたことだ。
「去年(リーグ1で戦った昨シーズン)は僕らが固めてカウンター攻撃という戦い方で、それでもチャンスはあった。繋ぐのがうまいチーム、(相手に)引かれた試合でも常にボールを持てるようなチームだったらいいんですけど、去年もそういうチームではなかったし、だからこういう(自分たちが持つ側の)サッカーになるとちょっとやり方がわからなくなる、というのはたぶんあると思うんです……」
中村は難しさをそう描写する。


そこで思い出したのは、カタール資本のもとで別格のチームとして生まれた当初のパリ・サンジェルマン。今でこそオープンな戦いを挑むチームも増えたが、選手の格も層も別レベルの彼らに対してはどの対戦相手もドン引きで、“ドローなら大金星!”という戦い方をしていた。
それでも周囲は「これだけ選手層が違えば楽勝して当然」という見方をしていたが、その頃インタビューする機会のあったキャプテンのチアゴ・シウバ(現ポルト)は、「みんなが想像しているほど勝つのは簡単ではない」と切実に語っていた。

ボールを繋げるPSGの精鋭集団であっても、ガチガチに引かれた状態でこじ開けるのは至難の業だったのだ。それでもボールをキープして崩せるチャンスを作り出せるチームだったから常勝を重ねることができたが、今のランスはそのようなレベルにはない。
前の3戦よりもオープンゲームになるかと思われた2月27日のモンペリエ戦も、相手のゴール前の守りは固く、一方でカウンターを食らってヒヤリとする場面もたびたびあった。リーグ戦では第13節以来の先発フル出場となった関根が、水際で危機を回避したことで失点を免れたシーンも何度かあった。
関根「まず勝つことを目指した時にそういうプレーが必要なのか…」
……
Profile
小川 由紀子
ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。
