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3兄弟の仲間たちも個性的!スタッド・ランス来日をもっと楽しむ主要メンバー紹介2025

2025.07.26

Allez!ランスのライオン軍団 #16

今年は727日から7日間で3試合。新監督いわく“チーム構築の最終ストレート”として「ジャパンツアー2025」に臨むスタッド・ランスの面々を、ここまでのプレシーズンマッチを振り返りながら紹介したい。

伊東純也は「まだ痛み」、中村敬斗は「コンディション調整中」

 痛恨のリーグ2(フランス2部)降格で、果たして実現するのかと危ぶまれたスタッド・ランスのジャパンツアー。しかし予定通り御一行は7月22日に現地を発ち、23日に日本に到着。山形を拠点にキャンプを行っている。

 27日にモンテディオ山形、31日にランス3兄弟こと伊東純也、中村敬斗、関根大輝の全員とご縁のある柏レイソル、そして8月2日に中村がかつて所属したガンバ大阪と対戦する。

 6月下旬にプレシーズンが始動して以来、このジャパンツアーまでにスタッド・ランスは親善試合を4試合行った。

 とはいえ、厳密には3試合相当。3試合目の7月20日にはベルギー1部のルーベン戦が予定されていたが、カレル・ゲラーツ新監督は選手のフィジカルコンディションを上げるべく、参加者全員に60分間のプレータイムを与えたいとフランス5部のアマチュアクラブ、FC93との対戦を追加した。

 選手を3つのグループに分けて、計180分間の試合をそれぞれが60分間ずつプレー。システムは、2ボランチの[4-4-2]や[4-3-3]を試していた。

 日本人トリオについては、伊東はここまでの全試合を欠場。ゲラーツ監督によると、軽いケガでまだ痛みもあるためで、シーズン末に負った左足首の骨挫傷の名残ではないという。

 「軽いもので大したことはない。まだ少し痛みはあるけど、ここから彼とも徐々に一緒に進めていく必要がある」

 中村は、初戦のズルテ・ワレヘム(ベルギー1部)戦に先発して開始5分にゴールを決めたが、その後の2試合はプレーしなかった。指揮官は不在の理由を「コンディション調整中」と説明し、体調を尋ねると「大丈夫だ」と返答した。

 唯一、関根だけが全3試合に出場している。

 プレシーズンマッチでは、全体の7割くらいが昨シーズンのメンバーで構成されていたが、まだまだこの後もメルカートで動きがありそうだ。国内での調整を終えた段階では、ゲラーツ監督は新シーズンのスタメンの顔ぶれについて「まだ明確なアイディアは固まっていない」と話していた。

 また、昨シーズン長期欠場していたモハメド・ダラミー、レミ・カドラ、ヤヤ・フォファナもまだ復帰していない。そんな不透明なチーム状況ではあるが、ひとまず日本での3試合に出場が濃厚な主力メンバーを見ていこう。

Photos: Yukiko Ogawa

新指揮官は43歳、新守護神は21歳?

 まずは今オフに着任した新監督から。43歳のカレル・ゲラーツはベルギー出身、伊東が活躍した地であるヘンクの生まれだ。一昨シーズンの指揮官ウィル・スティル(現サウサンプトン)も、両親はイングランド人だがベルギー出身だった。ランスはなんだかベルギーに縁がある。

 現役時代はセントラルMFで、クラブ・ブルッヘやスタンダール・リエージュなど母国の名門クラブでプレー。クラブ・ブルッヘ時代にはリーグ優勝も経験している。ベルギー代表歴もあり、20試合に出場して4得点。足下の技術やゴールセンスにも長けたプレーヤーだったようだ。

 2017年に選手を引退後は、ベルギー1部のユニオン・サン・ジロワーズ(2022-23シーズン)、ドイツ2部のシャルケ(2023-24シーズン)で指揮を執ってきた。

 ベルギーではオランダ語に近いフラマン語とフランス語が主要言語で、ヘンク生まれのゲラーツ監督はフラマン語が母国語だが、フランス語も堪能だ。

……

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Profile

小川 由紀子

ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。

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