相模原の流儀#8
2023シーズンにクラブ創設者の望月重良氏から株式会社ディー・エヌ・エーが運営を引き継ぎ、元日本代表MFで人気解説者の戸田和幸を指揮官に迎えたSC相模原。新たに築き上げた“エナジーフットボール”の礎を2024年6月より引き継ぐシュタルフ悠紀監督の下でJ2復帰を目指す中、“緑の軍団”が貫く流儀に2021年から番記者を務める舞野隼大氏が迫っていく。
第8回では6戦未勝利のチームを陰でも支え続け、一転して2連勝へと導いた瀬沼優司と岩上祐三の知られざる献身について。
ベンチ外から7戦ぶり勝利の立役者へ。瀬沼の逆襲劇
J3第29節・FC今治戦で2連勝を収め、昇格プレーオフ圏内の6位に再浮上する復調をみせたSC相模原。それまでは6試合勝ちなしとトンネルを経験したが、そんな苦しい時にこそベテランの献身が際立った。特に戸田和幸前監督もプロフェッショナルな姿勢に一目を置いていた昨季途中加入のキャプテン・瀬沼優司、副キャプテン・岩上祐三のピッチ内外での貢献は大きなものだった。
瀬沼は白星が遠のいていた間、メンバーから外れることもしばしばあった。それでも前指揮官が「ピッチ内外で若い選手にプロフェッショナルな姿勢を示して、引っ張ってきてくれた」と認めていた彼のメンタリティは不変。シュタルフ悠紀リヒャルト監督も「キャプテンシー、リーダーシップはオフ・ザ・ピッチでも計り知れない価値がある。僕が今まで付き合った選手の中で最もプロフェッショナルな選手と言っても過言ではない」とその人間性を高く評価していた。……
Profile
舞野 隼大
1995年12月15日生まれ。愛知県名古屋市出身。大学卒業後に地元の名古屋でフリーライターとして活動。名古屋グランパスや名古屋オーシャンズを中心に取材活動をする。2021年からは神奈川県へ移り住み、サッカー専門誌『エル・ゴラッソ』で湘南ベルマーレやSC相模原を担当している。(株)ウニベルサーレ所属。