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ムバッペ論争より深刻な“ビティーニャ不在”。フランス代表の「縦パス問題」の正体

2026.06.18

新・戦術リストランテ VOL.121

footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!

第121回は、フランス対セネガルを分析する。結果は3-1。しかし内容だけを見れば、フランスの完勝とは言い難かった。攻撃停滞を招いた縦パス不足の背景、後半に流れを変えた守備の修正、そして浮かび上がった“ビティーニャ不在”という課題。セネガル戦から優勝候補の強みと弱みを探る。

「2002年の悪夢」を思い出させた45分

 2002年W杯開幕戦、フランスはセネガルに敗れています。フランスvsフランスリーグ選抜なんて言われ方もした試合、エンジンがかかりきらないままディオプの一撃を食らっての敗戦でした。

 今回のセネガルとの初戦、前半は02年の悪夢を思い起こさせる流れでした。フランスはデンベレのDFがブロックしたシュート1本だけ。セネガルには2つの決定機。ニコラス・ジャクソンのポストを叩いた跳ね返りがGKメンディのカカトに当たって外れたシュートは、フランスにとってはただただ幸運でした。

 しかし、後半からフランスが盛り返します。

 より前方でボールを奪えるようになってリズムをつかみました。オリーセ、ムバッペの決定機があり、66分にオリーセのパスからムバッペが先制。

 セネガルもN.ジャクソンが抜け出してニアハイに叩き込みますがオフサイド。82分に交代出場のバルコラが加点してフランスが2-0とします。セネガルはアディショナルタイムに入って18歳のエンバイエが個人技で1点を返しますが、96分にムバッペのミドル炸裂で3-1でした。

 後半にようやくエンジンがかかってきたフランスの勝利となりましたが、けっこう紙一重のところもあったと思います。

なぜ2列目へ縦パスが届かなかったのか

 フランスは前半と後半で一変した印象ですが、チームの機能性はそんなに変わっていません。

 攻撃のカギを握るのは2列目です。ドゥエ、デンベレ、オリーセが縦パスを収めて仕掛けていきます。ところが、肝心の縦パスがあまり入らず。前半はたまに入っても仕掛けていく展開になりませんでした。

 メカニズムとしてはトップのムバッペがピン止め役。SBが上がって押し込んでいき、逆に2列目が少し下がって足下で受ける。

 問題点は2つありました。

……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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