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スペイン代表の静かなる船出。イラク戦で確認できた“偽WG”のフィットと“第3のMF”ガビの完全復調

2026.06.09

サッカーを笑え #68

EURO2024王者として臨むW杯で、4大会ぶり2度目の優勝を目指すスペイン。64日には本大会でグループIに入るイラクと国内で壮行試合を行い(1-1)、アメリカ・テネシー州のキャンプ地チャタヌーガへと旅立った。グループH15日にカーボベルデ、21日にサウジアラビア、26日にウルグアイと対戦するチームの現状を、26人の顔ぶれとともにチェックしたい。

レアル・マドリー勢「0」も、ほぼ妥当な26人リスト

 イラク戦の分析に入る前に、メンバー選考について一言。

 選出(レギュラーも)が確実視されていた中でケガで欠場したのはフェルミン・ロペスだけ、というのは他国と比べると幸運だったと言える。左右サイドとトップ下でプレーできるハードワーカー(攻撃的なガビという感じ)の欠場が、玉突き式にビクトル・ムニョスの選出に繋がったのだろう。2023年11月の負傷以降、代表戦は昨年1試合に出場しただけのガビについては、クラブでは復帰済みだったしルイス・デ・ラ・フエンテ監督のお気に入りなので順当である。

 個人的にサプライズだったのはジョアン・ガルシアの選出。3月の招集で4人のGK(ウナイ・シモン、ダビド・ラジャ、アレックス・レミロ、ジョアン・ガルシア=初招集)を呼んでいたが、最終的には実績あるレミロが残るだろうと思っていた。出場の可能性がほとんどない第3GKは2010年W杯優勝時のペペ・レイナのようにムードメーカーとしての役割も重要だし、レミロ落選ならロッカールーム内の雰囲気が悪くなるかもしれないし、ジョアン・ガルシアが2025-26シーズンのスペイン人ナンバーワンGKだったことには疑いがないので正GK争いが起きかねないから(イラク戦後にその可能性はなくなった。後述)。

 CBは常連のロビン・ル・ノルマンと不調のディーン・ハイセンが漏れてエリック・ガルシアとマルク・プビルが滑り込んだ。ちなみにレアル・マドリーからはゼロ、9人のサポートメンバーに選出されたのもゴンサロ・ガルシアのみという、非スペイン人化と悲しいシーズンを反映した結果となった。

 前回カタール大会ではルイス・エンリケ前監督(現パリ・サンジェルマン)が調子よりも実績重視でウーゴ・ギジャモンやアンス・ファティを連れて行ったが戦力にはならなかった。現監督はより調子を加味しアップデートした格好だ。26人リストが物議を醸すことはなかった。2023年ネーションズリーグ優勝、EURO2024優勝、2025年ネーションズリーグ準優勝の貢献者に口を出したら罰が当たる。チームの周辺がいつになく静かなのも良い兆候のように思う。

……

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Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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