REGULAR

“30倍格差”を覆したG大阪。ACL2制覇が示したサウジ勢攻略の最適解

2026.05.20

新・戦術リストランテ VOL.118

footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!

第118回は、ACL2決勝でアル・ナスルを下したガンバ大阪を徹底解剖。クリスティアーノ・ロナウド、マネ、ジョアン・フェリックスらスター軍団を相手に、なぜ“年俸30倍格差”を覆せたのか。サウジ勢特有の弱点、Jリーグ勢の優位性、そしてジェバリがもたらした“間”。サウジ勢攻略のヒントが詰まった90分を味わう。

「年俸30倍格差」の壁を崩す

 ACL2でのガンバ大阪のアル・ナスルに対する勝利はJリーグにとって大きな一歩になりました。

 30分、ジェバリのパスからヒュメットがゴール。この1点を守り切っての勝利。アル・ナスルはクリスティアーノ・ロナウド、マネ、ジョアン・フェリックス、イニゴ・マルティネス、コマンとビッグネームがずらりと並ぶサウジアラビアの強豪。おまけに試合会場キングサウード大学スタジアムはアル・ナスルのホーム。これらを覆しての優勝でした。

 サウジアラビア勢はJリーグにとって立ち塞がる壁です。

 Jクラブの発展のためにはクラブW杯への出場がカギになります。世界に名を売るチャンスですし賞金総額も凄いことになっています。残念ながらACLEの方は町田が決勝で敗退となりましたが、ACL2ではG大阪が壁を打ち破ることができたわけです。

 ご存知の通りサウジアラビアは国策的な大補強を行い、AFC内での政治力もあって2年連続でACLE決勝会場となっています。次もおそらくサウジアラビア開催。29年までは続きそうな流れになっているようです。

 一方、ACL2は奇数年スタートが西地区開催、偶数年スタートは東地区開催なので、来シーズン(26-27)は東地区での開催になります。

 ACLEはUEFAならCL(チャンピオンズリーグ)に相当し、ACL2はEL(ヨーロッパリーグ)です。ACLEの価値が高いのはその通りですが、それをサウジアラビアだけが利用するために開催権を独り占めにするというのは道理が通らないと思うのですがどうなんでしょう。その代わりACL2は東でやってもいいよ、って虫が良すぎませんかね。

 まあ、それはともかくACL2といえどもJクラブがサウジアラビア勢の一角を食ったのは痛快でした。

……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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