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「PPDA」とは何か?ハイプレスの強度を測る新たな守備の指標

2020.08.05

サッカーの定量データは日々進化しており、「ゴール期待値(xG)」や「パッキング・レート」など新しい指標が次々と誕生している。今回はプレッシングの強度を測る指標として注目されている「PPDA」について、カーディフでコーチを務めていた平野将弘氏が解説する。

 プレッシングは決して新しいサッカー戦術ではない。その導入は1960年代半ばにさかのぼる。64年にロシア人コーチのビクトル・マスロフがディナモ・キエフの監督に就任し、当時ではかなり画期的な強度の高いプレス戦術を採用してチームの基盤を作った。同時期にオーストリア史上最も優れた監督との呼び声も高いエルンスト・ハッペルが新たな近代的なプレッシング戦術を発明し、70年にフェイエノールトでチャンピオンズカップ(現CL)とインターコンチネンタルカップを制した。のちのトータルフットボールで有名になったリヌス・ミケルスも彼に影響を受けている。時代を経るにつれて、できるだけ高い位置でプレッシングし、相手ゴールに近い場所でボールを取り返すための戦術が考えられるようになっていった。

エルンスト・ハッペル

 日本でも枠内シュート率やパスマップ、xG(ゴール期待値)など、ボール保持時や攻撃に関するスタッツをよく見かけるようになった。だがプレッシングに関する数値やデータはどうだろうか? 現代サッカーでは守備戦術が著しく発達し、プレーリズムの高速化により攻撃と守備の局面の境界線が消えかけている。……

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PPDA

Profile

平野 将弘

1996年5月12日生まれ。UEFA Bライセンスを保持し、現在はJFL所属FC大阪のヘッドコーチを務める。15歳からイングランドでサッカー留学、18歳の時にFAライセンスとJFA C級取得。2019年にUniversity of South Walesのサッカーコーチング学部を主席で卒業している。元カーディフシティ