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マンチェスター・シティのメニューに学ぶ、試合前ウォーミングアップの見方

2022.06.30

スタジアム観戦で試合前に目にするウォーミングアップ。ファンやサポーターにとってはお馴染みの光景かもしれないが、そこには刻一刻と迫る運命のキックオフに万全の状態で臨むための緻密な設計が隠れている。その見方をサウスウェールズ大学に通う学生アナリストの白水優樹氏に、イギリス現地で分析したマンチェスター・シティのメニュー紹介も交えながら教えてもらった。

 試合前に選手が汗を流すウォーミングアップ。なかなか中継には全貌が映らないシーンですが、そこには各チームの考え方がよく現れています。そこで今回は、私が21-22シーズンにおいてよく現地で試合観戦したマンチェスター・シティのウォーミングアップの流れから全体像を把握しつつ、各メニューにおいて他チームで行われていた内容を比較していくことで、その見方について紹介していきます。

なぜ25~30分程度行うのか

 まず、ウォーミングアップの全体の流れから確認していきます。パフォーマンス向上やケガ予防を主要な目的として、ウォーミングアップは「Warming」という名前にもある通り体を温めて筋肉を活性化させていきます。

 その時間についてイングランドの1部と2部に所属するチームのスタッフ19人(スポーツ科学者12人、フィットネスコーチ5人、フィジオセラピスト1人、コーチ1人)が回答した調査では、平均して30.8分、89%以上が25分以上行っていると明らかにしています。

 一方で、25分にわたるウォーミングアップでは選手が疲労感を感じてしまい、スプリント能力が落ちるという結果が出ている研究もあります。同リサーチでは8分間でその後のスプリント能力が向上するとも報告されていますが、ではなぜ実際の現場では25分以上のウォーミングアップが行われているのでしょうか。

 それは身体面だけではなく、同時に技術面や心理面でも準備しなければいけないからです。実際、先ほど紹介した研究では対象こそ「サッカー選手」であるものの、測定されたのは10~20mのスプリント、ジャンプやアジリティテストのみで、実際の試合で行われるパスやドリブル、シュートはもちろん、相手も置かれていないため状況判断も含まれていない。すなわち「サッカーのパフォーマンス」では検証されていないのが現状です。

 そのため、実際のウォーミングアップでは多くのチームがピッチに出てきた瞬間からボールを触ったり、ミニゲームとまではいかないものの狭いエリアで相手のいるポゼッションを取り入れたりして実戦の局面を部分的に再現しながら「サッカーのウォーミングアップ」を行っています。だから25~30分程度の時間を要しているのでしょう。

 では、実際にシティはどのような流れでウォーミングアップを行っているのでしょうか。

 まずキックオフの48分前にピッチに登場したGKに続き、フィールドプレーヤー(FP)は4分遅れてピッチに出てきます。そして4分程度、軽くランニングをしたりパス交換をしたりと選手個々で自由に体を動かした後、円になって5分間のストレッチを行い、5人ずつのグループに分かれて2分間の細かいパス交換を行います。次に、11m×14mのエリアで3分程度のポゼッションを行います。その後はユニット別のアップを行いポストシュートと短いスプリントで終わるという流れです。それでは、それぞれのメニューについていろいろなチームと比べながら見ていきましょう。……

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白水 優樹

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