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ランパード監督とエバートンの縁は「味なもの」となるか?デレ・アリ、ファン・デ・ベークの蘇生とともに

2022.02.12

2021年1月25日のチェルシー監督解任から1年。フランク・ランパードがプレミアリーグの舞台に戻ってきた。昨夏就任したラファエル・ベニテスの下で10月以降、リーグ戦1勝3分9敗と停滞し、残留争いに巻き込まれたエバートンと2024年6月までの契約を締結。初陣のFAカップは4得点で快勝、続くプレミアでは3失点で黒星という再出発になった43歳の新指揮官は、悩める古豪を救えるのか。

 「縁は異なもの味なもの」――この諺は、イングランド北西部で見られた最新の監督人事にも当てはまりそうだ。去る1月末にエバートンと2年半契約を結んだ、フランク・ランパード。丸1年ぶりとなる現場復帰先がプレミアリーグのクラブになるとは思えなかった。昨年11月、ノリッチでの復帰話も面接だけに終わった43歳は、国内トップリーグでの監督経験が57試合に限られた。監督歴も、初仕事となった2部での1シーズンを含む約2年半しかなかった。

「一生忘れない」監督復帰初戦

 その2年半では、ダービーをプレミア昇格まであと1勝まで導き(18-19シーズン)、続くチェルシーでの就任1年目にも補強なしでトップ4の座を維持してはいる(19-20シーズン)。しかし、翌20-21シーズン途中で9位に落ちていたチームを追われた時点では、ティモ・ベルナーとカイ・ハベルツの起用法や基本システムを含め、自軍のベストイレブンを把握しかねているようだった。

 一方では、出場機会が極端に減ったメンバーとの摩擦も指摘された。後を受けたトーマス・トゥヘルは、ランパードの下で定着した若手にはチャンスを与え続けつつ、アントニオ・リュディガー、マルコス・アロンソ、セサル・アスピリクエタらも再び主力として起用しながら、プレミア4位とCL優勝を実現。前監督は、現役当時の名声だけでは埋めがたい監督としての下積み不足が目立つ結果となった。第2キャリアの再生には、下部リーグからの再出発が必要かに思われた。

 そのランパードに、またプレミアでのチャンスが訪れた。それも、エバートンで。2年ほど前、チェルシーでのランパードを解任へのスパイラルに陥らせたチームがエバートンだった。

 2020年12月12日、グディソンパークに乗り込んだランパード軍は、戦前の予想通りに勝利を収めれば、指揮官のプレミア50試合目を首位浮上で飾れるはずだった。だが、結果は零封負け。PKによる1点が勝敗を分けた格好だが、当時のカルロ・アンチェロッティ監督(現レアル・マドリー)が、最終ラインにメイソン・ホルゲイト、マイケル・キーン、ジェリー・ミナ、ベン・ゴッドフリーのCB4人を並べる実用的手段に出たエバートンにしてやられた。キーンとミナの他、前線でもドミニク・カルバート・ルーウィンが及第点以上の出来を見せたエバートンに対し、ランパードのチェルシーはボール支配のみ。3位から5位に順位を下げ、続く7試合では2勝しかできずに監督のクビが飛ぶことになった。

 ところが、エバートン指揮官としての初陣は最高だった。……

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エバートンデレ・アリドニー・ファン・デ・ベークフランク・ランパード

Profile

山中 忍

1966年生まれ。青山学院大学卒。90年代からの西ロンドンが人生で最も長い定住の地。地元クラブのチェルシーをはじめ、イングランドのサッカー界を舞台に執筆・翻訳・通訳に勤しむ。著書に『勝ち続ける男 モウリーニョ』、訳書に『夢と失望のスリー・ライオンズ』『ペップ・シティ』『バルサ・コンプレックス』など。英国「スポーツ記者協会」及び「フットボールライター協会」会員。

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