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アーセナルにビエラが戻ってくる!スタイル一新、スパーズ一蹴のクリスタルパレスが侮れない

2021.10.16

10月12日発売の『フットボリスタ第87号』で特集したアーセナルの次戦、プレミアリーグ第8節の相手はクリスタルパレス。その同じロンドンは南東部に本拠を構えるクラブを今季から率いるのが、あの03-04無敗優勝イレブンのキャプテンであり、1996年から2005年までアーセン・ベンゲル監督のチームを支えたアーセナルのレジェンド、パトリック・ビエラだ。パレスでここまで、昨季プレミア最高齢チームの世代交代と、堅守速攻から繋いで攻めるサッカーへのモデルチェンジを同時に進行中という45歳のフランス人指揮官。その上でトッテナムに3-0で完勝し、昨季5位のレスター、6位のウェストハム、今季好調のブライトンと引き分けるなど、プレミア1年生監督としては上々の滑り出しを見せている。10月18日(月)にエミレーツ・スタジアムで行われる対決が楽しみだ。

 “(And)that’s the way we like it, we like it, we like it, whoa whoa whoaaaaa!”

 クリスタルパレスのファンが繰り出すチャントの一節だが、今季は感情のこもり具合も一入(ひとしお)だろう。開幕前月に誕生したパトリック・ビエラ新体制の下、チームがポジティブなサッカーを披露し始めているのだ。

 プレミアリーグではマイナー勢に分類されるロンドン南東部のクラブに、いわゆる伝統のスタイルは存在しない。強いて言えば、73歳(当時)での昨季をもって監督を勇退したロイ・ホジソンの下でもそうであったように、堅守を最優先する我慢のサッカーが「パレス流」と言えるかもしれない。2013年の前回昇格以降、プレミア残留が第一目標であり続けるクラブである事実を考えれば、極力負けないための防御路線は間違っているわけでもない。

 とはいえ、例えば昨季の数字を眺めてみると、サウサンプトンとの開幕戦で3割を切ったクリスタルパレスのボール支配率は、シーズン平均でも辛うじて4割という受け身の戦いぶりだ。しかも、これはホームゲーム計19試合での数字ときている。降格組との3試合でも4割台が限界。2年連続の14位で無難な残留を果たしてはいたものの、守勢が当たり前のチームは、20チーム中ワースト3の66失点を記録していた。それでも、ファン投票で選ばれた年間最優秀選手はGKのビセンテ・グアイタだった。攻撃面では、シュート数もリーグで下から3番目の計349本。そのサッカーは、ファンが心の底から「そうでなきゃ。ウォウ・ウォウ・オー!」と歌いたくなる類ではなかったはずだ。

5段階評価で「4」の開幕2カ月に「おぉっ!」

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クリスタルパレスパトリック・ビエラ

Profile

山中 忍

1966年生まれ。青山学院大学卒。在住も20年を超えた西ロンドンが第二の故郷。地元クラブのチェルシーをはじめ、イングランドのサッカー界を舞台に執筆・翻訳・通訳に勤しむ。著書に『勝ち続ける男 モウリーニョ』、訳書に『夢と失望のスリー・ライオンズ』『ペップ・シティ』など。英国「スポーツ記者協会」及び「フットボールライター協会」会員。