カルチョ新時代のはじまり
EURO2020優勝記念!復活のアズーリ、変革期のイタリアサッカーを大特集
特集Ⅰ
カルチョ新時代のはじまり
イタリア代表、モダンサッカー改革の全貌
つい3年前には、60年ぶりにW杯出場を逃し、 暗黒時代の到来さえ囁かれていたイタリア代表が2021年7月、 53年ぶり2度目となるEURO優勝を成し遂げた。 しかもそれは、この国の伝統と考えられてきたカテナッチョや堅守速攻とはまったく正反対のフィロソフィ、 非常に攻撃志向が強いモダンなスタイルを貫いた結果としての勝利だった。 今大会のアズーリが体現した劇的な変化は、 イタリアサッカーのあり方をも変えていく契機になるかもしれない。
今号では欧州制覇に至る道程、その代表プロジェクトの全貌をあらためて振り返るとともに、イタリア歓喜の夏を経て俄然注目が集まるセリエAの新シーズンを展望する。
「ボール支配によるゲーム支配」を貫いた優勝の価値
屈辱の3年前から、マンチーニは、この明確な未来を描いていた
INTERVIEW
マウリツィオ・ビシディ(イタリアサッカー連盟・育成年代代表統括コーディネーター)
「FIGCの頭脳」が総括する「クラブ・イタリア」の成果と課題
激闘7戦、一体感は最高潮に
アズーリ優勝への歩み
L’Ultimo Uomo
幸せとは 、守備をするキエッリーニ
L’Ultimo Uomo
ジョルジーニョはさらに偉大に。
マンチーニのイタリア代表で中核を担う男
[対談]レナート・バルディ×片野道郎
バルディと語るEUROで見られた7つの戦術トレ ンド
セリエA、監督大移動の21–22シーズン展望
ここ10年で最もエキサイティングなシーズンが
我われを待っているかもしれない…!
○インテル
シーモ第一章の鍵は「両サイドの機能性担保」と
「2インサイドMF+2トップの役割分担」
○ミラン
「選手に寄り添う」監督の下で若手が伸びる
新GKはOK、“10番”の穴をどう埋める
そして一大エンターテインメントカンパニーへ
「エリオット」によるミランの事業再生
○アタランタ
もはや伏兵ではなく、スクデット候補筆頭!
右肩上がりのガスペリーニサッカー
○ユベントス
第二次アレグリ体制は「原点回帰」
可能なら“ピルロのエッセンス”も欲しい
アニエッリ会長のお目付け役にアリバベーネ
新CEOの下でユーベは経営再建を果たせるか
○ナポリ
帰ってきたスパレッティに膨らむロマン
レジスタ? 9番? 監督の色はどこから?
○ラツィオ
セリエAに“サッリ・ボール”再び…
「このクラブには必要な条件がそろっている」
○ローマ
11年ぶりにセリエAに帰還したモウリーニョ
ローマの街は「勝てる監督」の到来に沸いている
記録的な赤字計上で新オーナーも前途多難
ローマの経営における構造上の問題
○サッスオーロ
躍進の功労者デ・ゼルビ退任。
ディオニージが目指すのは「継続+α」
○サンプドリア
新監督選びに一番苦労、移籍市場も後手
今季もダムスゴーたちとベテランの融合なるか
○エラス・ベローナ
ガスペリーニの弟子からゼーマンの弟子へ
流派の違う攻撃サッカーの継承は成功するか?
○ジェノア
監督交代の波に抗う、意外な継続路線
パンデフらベテラン勢が支える育成クラブ化
○ボローニャ
冨安流出阻止にみる強気の戦力キープ
実力者補強と有望株覚醒、嚙み合えば上位進出も
○フィオレンティーナ
充実の中盤に、構成力をもたらす戦術家が到来
2年燻ったポテンシャル、勇敢な[4-3-3]で開花へ
○ウディネーゼ
デ・パウル移籍も代役の補強はなし
一人気を吐くプセットが唯一の希望
○スペツィア
監督交代、補強禁止、クラスター感染…
奇跡のチームを襲う試練。残留に早くも黄信号
“宝の山”を抱える中小クラブの権謀術数
コロナ禍でも強気の商売を続けている背景は?
○カリアリ
経営面の問題から戦力ダウンが予告済み
追い打ちをかける主力離脱でさらなる難局に
○トリノ
中位以上を争ってもおかしくない戦力を
生かすも殺すも野心的な監督次第
○エンポリ
功労者は去れど、受け継がれる文化は不変
優勝チームをほぼ維持しセリエA に挑む
○サレルニターナ
「現状が難しいことは隠さない」
経営権問題は決着するも補強は難航
○ベネティア
注目を浴びたザネッティ監督引き留めに成功
人材の厳選も順調で漂うサプライズの予感
DAZN解説でおなじみ!
林陵平のセリエA注目タレント解説
COLUMN
カルチョに魅せられて
❶残念なインテルへのチャントは、自分へのエールでもあった
❷カルチョに夢を買い、夢に破れ、そしてまた夢を見る
❸セリエA史上、最も幸せなティフォージだった
❹ある日突然、ナポリの街で
❺気づいたらボローニャの“やばい日本人”でした
❻偏愛が織り成すコミュニケーションの先に
INTERVIEW
吉田麻也(サンプドリア/日本代表)
The Journey to Victory 飽くなき勝利への探求
特集Ⅱ
21–22開幕!
欧州主要クラブ展望
セリエAに先駆けて、主要4カ国のリーグ戦が幕を開ける。チームの全貌が明らかになるのは移籍期間を経たこれからだが、各国の名将たちは目指すサッカーや目標の実現に向けてどのような課題に挑み、新機軸を打ち出そうとしているのか。プレシーズンで見えた現状から、注目クラブ勢の今季を展望する。
ENGLAND|PREMIER LEAGUE
○チェルシー
得点力不足はサポート役で解決できる!
待たれるのは CL 優勝弾、ハベルツの覚醒
○マンチェスター・シティ
主砲アグエロ退団も「偽9番」に移行済
実現すれば相性抜群?「新8番」をペップは夢見る
○マンチェスター・ユナイテッド
優勝にはブルーノ&マグワイア依存克服が必須
大型補強と連携強化、眠れる男の目覚めを待つ
○リバプール
未完の「チアゴ・システム」を再構築
ラストピースは世界最強DFの復活
○トッテナム
レビィ会長宣言!攻撃的&若手登用へ大転換
「雇われ監督」ヌーノに課せられた[4-3-3]
○アーセナル
脱・2大エース頼みへビルドアップ整備が急務
幅広さゆえの悩ましさ、現代っ子 2人の起用法に注目
○リーズ
ピッチの芝までディテールを徹底追求!
ビエルサ・リーズの終わりなき旅は続く
○エバートン
ベニテスの「キーワードはバランス」発言の正体
見応えより切り替え、辛抱の先にあるビッグ6入り
SPAIN|LIGA ESPAÑOLA
○アトレティコ・マドリー
2つの戦術的課題を抱える優勝チームに、
シメオネはいかに新風を吹き込ませる?
○レアル・マドリー
「火中の栗を拾った」アンチェロッティ
主力 CB を失ったチームを強くするには…
○バルセロナ
「でも、バルサだよ」はもう通用しない
メッシ登録とペドリ依存、直面する2つの問題
FRANCE|LIGUE 1
○パリ・サンジェルマン
「フィジカル強化」と「ポジション争い」を標榜
S.ラモスにも容赦なし!2本柱で勝負の2季目へ
GERMANY|BUNDESLIGA
○バイエルン
4戦未勝利がどうした?
独自の指導はビッグクラブでも変わらない
○ドルトムント
縦志向+積極的守備の浸透は順調
ポイントは 心身のマネージメントにあり
○ボルフスブルク
“ピッチ上の指揮官”らしく選手目線で指 導
ドイツ+オランダのハイブリッドを目 指 す
○フランクフルト
「頭がパンクしそう」ラングニック流指導で
志半ばに終わった3バックに心置きなくトライ
○RBライプツィヒ
名将の後継者マーシュの“らしさ”
SB裏の攻略を組み込むことができるか
INTERVIEW
ジェシー・マーシュ(RBライプツィヒ監督)
RBイズムの正統後継者にして革命家候補、来たる
REGULAR
戦術リストランテ ●西部謙司
– 『革新』のイタリアにみる、理想的なミックス
TACTICAL FRONTIER 進化型サッカー評論 ●結城康平
– ポジションとフェーズの概念から脱却。イタリア代表の「シームレス・フットボール」
CALCIOおもてうら ●片野道郎
– ラングニックが「コンサル会社」を設立した意味。SD機能アウトソーシングの時代が来る?
FOOTBALL×ART ●平野太呂
ドイツサッカー誌的フィールド ●ダニエル・テーベライト
– ライバルは内にいる!?2部が1部より魅力的な理由
ディープスロート内部情報が語るRマドリー ●ディエゴ・トーレス
– “泥船”に乗り込んだアンチェロッティ
サッカーを笑え ●木村浩嗣
– 分かれた明暗。最悪バルサ、裏があるRマドリー、余裕のアトレティコ。今夏リーガの補強は、3強を筆頭に史上最低水準の見込み
フットボリスタ・ラボ・レボリューション’21
– 第21回 ちくわ:飽くなき知識欲と「書くこと」への挑戦
連載コラム
ENGLAND●山中 忍/FRANCE●小川由紀子
NETHERLANDS●中田 徹/RUSSIA●篠崎直也
BRAZIL●沢田啓明/ARGENTINA●Chizuru de Garcia