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「対世界」痛感の前半から一転…U-17日本代表がW杯初陣ポーランド戦で得た「収穫」とは

2023.11.12

U-17W杯から占う日本の未来 #9

コロナ禍を経て2019年以来の開催となるU-17W杯が、11月10日にインドネシアでいよいよ幕を上げた。前回王者ブラジルをはじめとする24カ国が17歳以下の世界一を争うFIFA主催国際大会の最年少カテゴリーは、アンドレス・イニエスタからフィル・フォデンまでのちのワールドクラスが頭角を現してきた若手見本市。AFC U17アジアカップ優勝チームとして森山佳郎監督が招集した全員国内組の“06ジャパン”にとっては、18歳から解禁される国際移籍も見据えてその才能をビッグクラブにまで知らしめる格好の舞台でもある。逸材集団の登竜門への挑戦を見届けながら、彼らが背負う日本の未来を占っていこう。第9回では1-0で辛勝を収めた初陣ポーランド戦の「収穫」に、現地取材中の川端暁彦氏が迫る。

数的同位、緊張感、対世界…数字にも表れた前半の課題

 「マンツーマン気味にプレッシャーをかけてくる相手に対しても自信を持ってボール保持できるようにならないと難しい。今日も考えさせられた。ちょっとプレッシャーがゆるむと上手さを出せるんだけど……」

 U-17W杯初戦で勝ち点3を手にした森山佳郎監督はそう振り返った。

 この日、[4-4-2]ベースの日本に対し、ポーランドの布陣は[3-1-4-2]が基本形。2トップ+2シャドーに両ウイングバックが高い位置に張り出し、守備に回れば高い位置から日本の4バックと2ボランチにプレッシャーをかけていくスタイルだ。

 日本の育成年代ではあまり見られない形で、森山監督は「日本では練習でもボールを持つ側がオーバーナンバー(数的優位)でのポゼッション練習を多くのチームがやっているが、世界的にそうではないチーム(数的同位にしてのプレスをかけるチーム)が多くなってきている」とも語る。実際、アジア予選を戦っている最中でもこうした懸念を語っており、「アジアの中ではそういう経験が積めないから、そこはどうなのか」とも指摘しており、図らずもこのポーランドとの初戦でそうした指揮官の“想定課題”が現出することとなった。

 もちろん、そこには初戦の緊張感もあったのは間違いない。「最初はボールが足につかなかった」と振り返ったのはMF吉永夢希(神村学園高/ゲンク内定)。試合が始まると、初めての世界大会でミスを恐れる空気感も充満してしまい、「左サイドの2人以外、ボールを受けるのをまず怖がるようになってしまっていた」(森山監督)。

 事前にポーランドのハイプレスへ対応するためのトレーニングも行っていたが、実戦となればまた違う要素も入ってくる。何より個人が受け取る精神的な圧力はまた別のもの。「練習でやって来たことを完璧に出せたかというと、そうじゃなかった」とDF本多康太郎(湘南ベルマーレU-18)が振り返ったように、前半はチグハグなプレーが目立つこととなった。……

Profile

川端 暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣『エル・ゴラッソ』を始め各種媒体にライターとして寄稿する他、フリーの編集者としての活動も行っている。著書に『Jの新人』(東邦出版)。