新・戦術リストランテ VOL.111
footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!
第111回は、北中米W杯初戦で日本と激突するオランダの分析。ポゼッション大国として知られるオランダに、いま奇妙な“ズレ”が生じている。理論はあるのに、つながらない。ビルドアップはもたつきながらも、カウンターは鋭利――その歪な攻撃構造の正体とは何か。ノルウェー戦の分析から、日本が突くべきポイントを具体的に示す。
「眼が揃わない」ビルドアップ
北中米W杯で日本代表の初戦の相手となるオランダ代表。そのオランダと親善試合をしたノルウェー代表も、ひょっとしたら準々決勝あたりで対戦するかもしれない。というわけで、オランダvsノルウェーの敵情視察(?)です。
会場はアヤックスのホーム、ヨハン・クライフ・アレナ。14分にはスタンディング・オベーションと拍手がありましたね。
オランダはメンフィス・デパイ、フレンキー・デ・ヨンクが欠場でマーレンがCFで先発、左SBにファン・デ・フェン、ボランチにスミット、右FWコープマイネルスとテスト色の濃い布陣。ノルウェーもエース、ホーランドが欠場。予選ではあまりやらなかった[4-4-2]システムをテストしていました。ただ、両チームの基本的なプレースタイルは変わりませんから参考にならないということはないでしょう。
23分に新鋭シェルドルップの個人技からのゴールでノルウェーが先制。オランダは35分にCKからファン・ダイクが得意のヘッドで決めて1-1とします。後半に入って51分、ハーフカウンターからのラインデルスのゴールでオランダ逆転。後半はどちらも大量に選手交代を行ったせいか、やけに短く感じられるまま終了。
まずオランダの方ですが、予選時と印象が変わりません。攻撃はカウンターとセットプレーが武器で、流れの中からの攻撃に関してはガクポの個人技がけっこうなウェイトを占めています。
オランダといえばポゼッションのイメージですけど、現状は意外なくらいビルドアップがもたついています。
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Profile
西部 謙司
1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。
