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ゴール、ゲーゲンプレス、オーバーラップが自動分析される時代へ。DFBデータサイエンティストの最新研究を読み解く

2022.11.06

開幕が迫るカタールW杯の初戦で、23日に日本代表と対戦するドイツ代表。彼らを語る上で欠かせないのが、W杯のたびに注目を集めてきた分析チームの存在だ。『フットボリスタ第93号』でゲーム分析・データ分析における先進的な取り組みと、それを担う精鋭スタッフ陣について伝えてくれたcologne_note氏に、その筆頭であるパスカル・バウアーの最新研究を紹介してもらおう。

 3月に行われた2022年度の「MIT Sloan Sports Analytics Conference」(SSAC)における論文コンテストで、ドイツサッカー連盟(DFB)のデータサイエンティスト、パスカル・バウアーとヘルタ・ベルリンのアナリスト、ガブリエル・アンザーらによる研究が優勝を果たした。それぞれ連盟とブンデスリーガの分析担当として働く傍らで、テュービンゲン大学博士課程の研究者でもあった2人は、ここ数年サッカーのデータを使ったリサーチをいくつか発表している。

3457ゴールを50パターンにクラスタリング

 2010年代半ば頃からの学術研究では、トラッキングデータやイベントデータを用いたシュートやパスを評価するメトリクス、プレッシングやスペースコントロールを定量化するアプローチが検討されてきた。これらの指標をもとにドイツでは、試合の勝敗やパフォーマンスの評価に関わるKPIを確立することで、連盟やクラブのアナリストたちは分析に裏づけを加えている。

 そして、ここ数年で模索されているのが機械学習による自動分析だ。トラッキングデータや試合映像から、局面や戦術パターンの検出、プレー予測等ができれば、現場のアナリストが抱えている膨大な作業コストの削減が可能となる。これこそがバウアーの研究テーマで、『サッカーにおける複雑な戦術パターンの自動検出――機械学習技術を用いた戦術的行動の特定』というタイトルの博士論文も執筆している。

 2021年に発表された研究でも、バウアーとアンザーはブンデスリーガの1部と2部におけるゴールパターンの分析を試みている。対象は2018-19と2019-20の2シーズンで生まれたゴールから、オウンゴールを除いた3457ゴール。彼らはトラッキングデータとイベントデータをもとにプレーの起点からフィニッシュまでの展開を表すため、選手の位置、シュートとアシストの位置と種類、シュートまでのパス本数、ボール奪取の位置などを自動で抽出しながら、37の特徴を定義づける階層的クラスタリングアプローチで得点を50パターンに分けている。

引用元:『The origins of goals in the German Bundesliga』

 得点と失点の種類を類別できれば、チームや監督の特徴や問題点を導き出せるため、バウラーらは長期的な視点による分析への応用を提案している。さらには選手が得意とする得点パターンも見出せるためスカウティングにも応用できる一方で、移籍先を探す選手もチームや監督を比較しながら、自身のプレースタイルと合うチームを見つけられるという考えだ。

ゲーゲンプレスを自動検出も…必要不可欠なリテラシー

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Profile

cologne_note

ドイツ在住。日本の大学を卒業後に渡独。ケルン体育大学でスポーツ科学を学び、大学院ではゲーム分析を専攻。ケルン市内のクラブでこれまでU-10 からU-14 の年代を指導者として担当。ドイツサッカー連盟指導者B 級ライセンス保有。Twitter アカウント:@cologne_note