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伝統の技巧に手堅さ加えたポルトガル、難なくGSを突破【ポルトガル2-0ウルグアイ】

2022.11.29

翌日更新! カタールW杯注目試合レビュー

ブルーノ・フェルナンデスの2ゴールの活躍で粘るウルグアイを下したポルトガルが、グループステージ2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。

出して寄るポルトガルらしい先制点

 ブルーノ・フェルナンデスの2ゴールでポルトガルが粘るウルグアイをねじ伏せ、連勝でグループステージ突破を決めた。

 先制点は54分、左サイドのブルーノ・フェルナンデスからDFライン裏へ飛び出したロナウドへふわりとしたロブ。ロナウドの高いジャンプからのヘディングは当たらなかったが、GKロチェも触れず、そのままボールはゴールインした。

サッカーの試合をしている野球選手と観客中程度の精度で自動的に生成された説明
54分、ブルーノ・フェルナンデスのクロスが直接ゴールに吸い込まれ、ポルトガルが先制に成功する

 最初にタッチライン際でキープするゲレイロから、ブルーノ・フェルナンデスへ斜めのパスを足下へ入れている。パスを出したゲレイロは自分の出したパスを追うように走る。ワンツーというより、パスを出した方向へ動いているのがポルトガルらしい。対峙していたDFからすればゲレイロが目に前を通過していくのでそのままついていく。これでウルグアイのDF3人がほぼ1カ所に圧縮させられていた。違う言い方をすると、ゲレイロはパスを受けたブルーノ・フェルナンデスからずっと隠れることなく移動していて、こうしたパス&ムーブを活用できるのはポルトガルの良さだ。

 パスを出した選手が受け手に寄る。死角に入らないことでリターンパスのコースを確保し続ける。これをされると相手はDF2人が必ず圧縮させられる。もし圧縮しなければ、そのままゲレイロはブルーノ・フェルナンデスのリターンを受けてすり抜けていける。多くのチームはパスを出した後に瞬間的にDFの死角に入ってしまうワンツーになっているが、ポルトガルやブラジルなどはこうした“出して寄る”パスワークを使っている。

 もう1人、近くにいたジョアン・フェリックスをマークしていたDFを含めてウルグアイは3人が1カ所に固められた。ここでゲレイロからパスを受けたブルーノ・フェルナンデスはリターンを出すのではなくタッチライン方向のスペースへ移動してスッと向き直った。この後ずさりするようなドリブルが決定的だった。3人が束にされたウルグアイは誰がブルーノ・フェルナンデスへいくのか曖昧になり誰も追っていない。ゲレイロのパスとランでDF3人を固め、固めたがゆえに突破のコースはなくなったが、そうなると必ず別のスペースが生まれる。ブルーノ・フェルナンデスはそこへドリブルで運んでフリーになった。……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。