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最新テクノロジーの導入で戦術や観戦スタイルも変化する?

2019.11.15

 テクノロジー化が急速に進むプロサッカーの世界。セリエAの全チームのベンチには来年1月から、5G通信技術を活用した最先端の指導アシスタントシステムが導入されることとなった。14日、『ラ・レプッブリカ』紙が報じた。その名も「バーチャルコーチ」。イタリアのスポーツデータ解析会社『マス&スポーツ』が開発したシステムで、レガ・セリエAが導入を決定している。今後、全チームにそのアプリがインストールされたタブレット端末が配布され、来年1月19日に予定されているセリエA第20節から運用が開始されるという。

1試合あたり500万のデータ収集が可能

 試合中の動きを映像に撮ってリアルタイムでトラッキングし、スタッフが戦術分析を行うこと自体は珍しくなくなってきている。だが、この「バーチャルコーチ」が特殊なのは、ビッグデータをもとに試合中のプレーが瞬時に分析処理され、ソリューションのための選択肢がコーチングスタッフに提示されるということだ。

 5Gのデータ通信速度は、1秒間あたり10ギガビットで提供される。現在主流となっている4G通信よりも10倍になる通信スピードを活用し、ビデオトラッキングで収集されたデータをリアルタイムで集めて分析を始める。収集されるデータ量は1試合あたり500万で、テレビ画像のフレームレートを超える40FPSで詳細な映像データを取り込むことができるというものだ。従って、選手の技術や戦術スキームをただちに分析して可視化するとともに、機械学習アルゴリズムによって「どういうプレーが危険なのか」という指南までただちに行うというのだから驚きである。単にデータを出すだけではなく、分析結果もソフトウェアが出してくれるということだ。

アプリを通じて“戦術指南”が届く

 同システムは第12節のユベントス対ミラン戦で試験導入されたとのことで、例えばユーベ側には「狭いエリアでプレーをしていると苦境に陥る(36分)」「ピャニッチをもっと使え(57分)」「チャルハノールにスペースを与え過ぎる(65分)」という“指南”がアプリを通して行われたという。さらにソフトウェアのデータ解析は、監督の戦術指向によってアレンジも可能。マス&スポーツ社のオッタービオ・クリバーロCEOは『ラ・レプッブリカ』の取材に対し「グアルディオラのようにボールホルダーの近くにフリーの選手を置きたい場合でも、またサッリのように低い位置から縦方向への組み立てを好む場合でも、指導者の志向に合わせて(情報処理と分析を)行うことができる」としている。

 なお、このシステムは11月14日と15日に行われる「バルサ・スポーツテクノロジー・シンポジウム」でも紹介されるという。ゆくゆくは5Gによるデータ解析の結果を観客に提示していくサービスの展開も構想中とのことで、サッカーの内容にも観戦のスタイルにも新たな変化がもたらされそうだ。


Photo: Getty Images

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ミランユベントス戦術

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。

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