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2021年8月号増刊

フットボリスタJ

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フットボリスタが「Jリーグの戦術」を一冊丸ごと特集した増刊号

フットボリスタは2006年10月に創刊した海外サッカー専門誌です。「なぜ海外サッカーの雑誌がJリーグを語るのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、いくつか理由があります。

「世界に学び、世界に勝つ」

これが創刊時に掲げたテーマで、「日本」を強くするために「世界」を見るのがずっと続いている編集部の基本スタンスです。ただ、当然日本サッカーへの興味はありつつも、「世界」と「日本」というテーマは下手すると“上から目線”になってしまう恐れもありますし、「欧州サッカーと日本サッカーを同じ軸で論じるのは難しい」というのが少し前までの正直な感想でした。日本には日本の良さがあるし、欧州サッカーにはまた別のロジックがある。つまりは、“別物感”が大きかったんですね。

ところがここ数年、特にJリーグを中心に「世界と日本のフラット化」が急激に進行しています。まずロシアW杯後から若手選手の欧州移籍が加速しました。今ではJ2、J3はもちろん、プロデビュー前のユースや高校サッカーの選手までもが欧州クラブのスカウトリストに入っています。もはや海を渡るのは「挑戦」ではなく、当たり前の「選択肢の1つ」になった感もあります。反対に、イニエスタやフェルナンド・トーレスのような世界的スターがJリーグにやって来るようにもなりました。

もう1つは、ピッチ上の変化です。アンジェ・ポステコグルー監督が率いた横浜F・マリノスの2019シーズンJ1リーグ制覇が大きな後押しとなり、「ポジショナルプレー」と呼ばれる新しいサッカーの解釈が一気に広まりました。おそらくそれに刺激を受けたであろう川崎フロンターレは翌シーズンから[4-3-3]を導入し、日本的なパスサッカーとポジショナルプレーを融合させた新しいスタイルで他を圧倒しつつあります。

分断されていた「海外」と「日本」の壁が取り払われつつある今、Jリーグはどう変わっていくのでしょうか。今こそフラットな視点で国内のサッカー関係者に話を聞きたいと考えました。

『フットボリスタJ』創刊号の特集テーマは「川崎フロンターレを超えていけ」、「Jリーグの育成力」、そして「日本のサッカーと世界のサッカーは別物なのか?」の3本。まだ誰も答えを知らない問いを、我々フットボリスタ制作陣と取材に協力してくださったJリーグ関係者、そして読者のみなさん含めた全員で考えていければ嬉しいです。

[Chapter 1]
川崎フロンターレを超えていけ
〜最強軍団が引き上げるJ 戦術進化論〜

今シーズンも優勝争いを突っ走る王者は、もはやJリーグにおけるメガクラブとなりつつある。王者・川崎フロンターレをどうやって止めるのか。その問いへの答えはひとつではないだろう。確かなのは、傑出したチームの存在は、次なるイノベーションを呼ぶということ。ここからJリーグは新たな時代に突入する。

INTERVIEW
中村憲剛
Jリーグは間違いなく面白い

川崎フロンターレを攻略せよ
名古屋戦、湘南戦、鹿島戦から浮かび上がる王者の弱点

INTERVIEW
リカルド・ロドリゲス(浦和レッズ監督)
相手を見て、サッカーをする
新進気鋭のスペイン人監督がビッグクラブを変える

INTERVIEW
曺 貴裁(京都サンガ監督)
ボールを、下げるな! ゴールへ向かう「4-3-3 プラス1」

“常勝軍団”は復活するのか
相馬直樹新監督と鹿島アントラーズが迎えた岐路

[Chapter 2]
Jリーグの育成力

まばゆいばかりの光を浴びて、日本中を熱狂させる才能たち。その影には1人1人と向き合い、さまざまなアプローチを考えながら、グラウンドで汗を流す指導者がいる。Jリーグの育成力、それこそが日本サッカーの未来となる。

INTERVIEW
風間八宏(セレッソ大阪技術委員長)
風間八宏はセレッソ大阪で何を変えるのか

INTERVIEW
奥原 崇(FC東京アカデミーマネジメント部長)
小井土正亮(筑波大学蹴球部監督)

大学経由J行きという選択肢

INTERVIEW
宮本章宏(ヴィッセル神戸アカデミー部長)
後藤雄治(ヴィッセル神戸アカデミーヘッド・オブ・コーチング)

アカデミーから始まるバルサ化

INTERVIEW
大黒将志(ガンバ大阪アカデミーストライカーコーチ)
日本で世界的なストライカーを育てる

INTERVIEW
菅澤大我(FC町田ゼルビアアカデミーダイレクター)
育成界の異端児が語る“尖った指導者”のススメ

[Chapter 3]
日本のサッカーと世界のサッカーは別物なのか?

海外から戻ってきた選手たちが、たびたび口にするフレーズがある。

「日本と世界は別物というぐらい違う」

果たして、本当に別物なのか?なぜ、別物のように感じるのか?「フットボリスタJ」の最後の特集では、このテーマについて考えていきたい。

COLUMN
海外経験者たちの「Jリーグは別物」発言の正体を探る

INTERVIEW
松本拓也(大宮アルディージャGKコーチ)
GKの目線から見た、世界と日本の違い

[対談]川端暁彦×浅野賀一(footballista編集長)
Jリーグのサッカーが変わったって本当ですか?
「海外」と「日本」をフラットに見る時代がやって来た


Cover photos: Masahiro Ura

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