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加入当初とは別人のようになった藤尾翔太が町田の「9番」とともに背負うもの

2024.04.29

[特集]日本人9番の潜在能力#6
藤尾翔太(FC町田ゼルビア) 

「9番」という背番号は、点取り屋=ストライカーという印象が強い。過去にフットボリスタでは「日本人ストライカー改造計画」と題した特集で世界に通用するストライカーとは何なのか?を考えてみたが、あれから4年が経ち、若手の海外移籍が加速する中で、今Jリーグの舞台で活躍する日本人9番の現状に注目してみた。現代サッカーを生き抜く多種多様な9番はどんなキャリアを過ごし、これからどこへ向かおうとしているのか――。

第6回は、ユース時代から在籍したセレッソ大阪ではなく、昨シーズン育成型期限付き移籍で加入したFC町田ゼルビアへ完全移籍しJ1の舞台に挑むことを決断した藤尾翔太。ゼルビア加入後、急激な成長曲線を描きU-23日本代表でも活躍する若きストライカーの進化の足跡をたどる。

 右ウイングの藤尾翔太が相手の厳しいアプローチをものともせずにサイドを突進。まるで“ドリブラー”と見間違えてしまうほどの力強いストライドは、町田サポーターにとっては見慣れた光景だ。

 パリ五輪を目指すU-23日本代表での起用ポジションは、CFと右ウイングの併用。「ウイング起用の可能性もあると思って準備してきた」藤尾にとって、タッチライン際でプレーすることの違和感はそれほどない。

 例えば昨季のFC町田ゼルビアでは、ジュビロ磐田との夏のホームゲームでポケットを攻略し、ボックス内でマッチアップしたリカルド・グラッサと鈴木海音の間隙を縫う形からPKを奪取している。サイドアタッカーとしての資質があることも証明するワンシーンだ。

 なお町田に加入当時、藤尾のことを「腕の使い方も含め、どっしりと構えて自分で空間を作るタイプに見える」と評していた昌子源は、CBの立場から藤尾のポテンシャルについてこう話している。

“フィジカル強化”と徹底した自己管理

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Profile

郡司 聡

編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクション、エルゴラッソ編集部を経てフリーに。定点観測チームである浦和レッズとFC町田ゼルビアを中心に取材し、『エルゴラッソ』や『サッカーダイジェスト』などに寄稿。町田を中心としたWebマガジン『ゼルビアTimes』の編集長も務める。著書に『不屈のゼルビア』(スクワッド)。マイフェイバリットチームは1995年から96年途中までのベンゲル・グランパス。