“ビッグ4”から“ビッグ6”へ――。マンチェスター勢がスタートダッシュに失敗し、アーセナル、リバプールが復調した今季のプレミアリーグは例年にない混戦になっている。そんな序盤戦の5つの疑問をデータで斬る。本誌12月号「データの深層 特別編」からお届けする最終回。
ミニョレ加入の効果はてきめん
セーブ率、セーブ回数ともにトップ
プレミアリーグにおいてGKのセービングは失点率に直結する要素だ。特に上位を狙うチームは優れたGKを擁するが、今季リバプールはスペイン代表のレイナを放出し、リーグ屈指のシュートストッパーとして知られるサンダランドのミニョレを後釜に据えた。その効果はセーブ率にダイレクトに表れている。
※データは第9節終了時
“ビッグ6”の第9節までのデータを比較すると、ミニョレは最も多くのシュートを止め、枠内シュートを止めた割合であるセーブ率もトッテナムのロリスと並ぶ81%でトップだった。ちなみにリバプールは1試合当たり14.7本のシュートを打ち、相手に14.9本を打たれている。その中で17得点8失点という好バランスになっているのは、攻撃陣の決定力もさることながら、守護神が高いセーブ率を誇っているためだ。
失点はGKだけの責任ではないが、いざ枠内にシュートを打たれた時は彼らのセービング能力が物を言う。的確なポジショニングから鋭い反応を見せ、かつ無駄のない動きでシュートを弾き返すミニョレは、リバプール躍進の陰の立役者と言っても過言ではない働きを見せているのだ。
(文/河治良幸)
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