ラウンド16が終了したCL、ELで「全滅」が決まったプレミアリーグ勢。迎えた週末、リバプール(ELラウンド32で敗退)がマンチェスター・ユナイテッドに競り負けた(1-2)ものの、その他の“欧州組”は国内で3ポイント獲得に成功した。
18日のCLでバルセロナに屈し(1-0)、公式戦ここ5試合で4敗目を喫していたマンチェスター・シティは、地元にウェストブロミッチを迎えて久々の快勝を果たした。開始2分、決定機を阻止したとして相手DFマコーリーが一発退場(実は“人違い”という審判の判定ミスで試合翌々日には処分取消、実際にファウルしていたDFドーソンに出場停止が科された)。これで試合はホームチームの独壇場となる。ボール支配率78%、シュート数43対3(枠内16対0)。27分にこの日スタメンのボニーが移籍後初得点をマークすると、40分にフェルナンド、77分にシルバが加点し、2位の座を守った。
一方、ロンドンのCL敗退2チームは敵地で大苦戦。ハルに臨んだ首位チェルシーは2分にアザール、10分にジエゴ・コスタがネットを揺らして早々に0-2とする。しかし26分、28分と立て続けに失点し、リーグ15位チームに攻め立てられる展開になった。それでも持ち直した後半は、2失点目のシーンでミスを犯していたクルトワが好セーブを連発し、攻めては75分に投入されたFWレミが登場2分後に決勝ゴールをゲット。枠内シュート3本で3得点を奪い、総シュート19本を記録したハルを退けている。
ニューカッスルと対戦したアーセナルも、スタートは最高だった。シュートを外しまくった2月25日のCLモナコ戦第1レグ後、5試合4得点と好調のFWジルーがこの日も24分、28分と2連発。ところがエンドが変わった後半は一転、48分にムサ・シソコの得点を許し、以降もホームチームにゴール前を脅かされた。だが、奮闘するCBコンビのコシエルニー&ガブリエウとGKオスピナが水際で食い止め、シュート数17対7と劣勢のゲームに勝利。連勝を6に伸ばし、2位シティとの1ポイント差を維持している。
リバプール同様、ELで32強止まりに終わったトッテナムは、乱打戦の末に4-3で最下位レスターを撃破。失点数リーグワースト5位の守備陣が課題を露呈した一戦でヒーローとなったのが、前節マンチェスターU戦(3-0)では完封されていたケインだ。1、2月のプレミア月間MVPに選ばれ、イングランド代表にも初招集された21歳のFWは、6分、13分、64分(PK)のゴールでハットトリックを達成、リーグ得点ランキングで首位のD.コスタに並んだ。一方、敗れたレスターは第22節から2分6敗と泥沼にはまっている。
プレミア勢で唯一ELラウンド16に進出するも、ディナモ・キエフの前に涙を呑んだエバートンは、その3日後、QPRを倒してリーグ戦では5カ月ぶりの連勝を記録。1-1で迎えた77分、2月にトッテナムからレンタルで加入したMFレノンが、決勝ゴールとなる移籍後初得点を決めている。
■セインツ好調維持、ボトム5「全滅」
来季の欧州行きを目指し、サウサンプトンはビッグクラブ勢に食らい付いている。37分、57分と2点を先取し、リーグ最少失点の守備陣が敵の攻撃陣をシャットアウトして降格圏のバーンリーを一蹴。3月は2勝1分で、4位との差はまだ6ポイントだ。なお、吉田麻也には2戦連続で出場機会が与えられなかった。
ボトム3のレスター、QPR、バーンリーが格上に敗れた中、残留争いの渦中で勝ち点を稼ぎたかったのがサンダランドとアストンビラ。しかし、両者とも試合終盤の一発に泣くことになった。
17位のサンダランドは、前監督ポジェの後任として17日に就任したアドフォカートの指揮初戦。ウェストハムを相手に劣勢のアウェイゲームでスコアレスのまま踏ん張っていたが、88分、FWディアフラ・サコにネットを揺らされた。16位のアストンビラは、今季初のプレミア3連勝を懸けたホームゲームで87分、スワンジーのFWゴミスにゴールを許している。中位同士の激突となったストーク対クリスタルパレスは、FWザハの決勝点でアウェイ陣営が貴重な3ポイントを奪取した。