インテルが、ユベントス・スタジアムから勝ち点1を持ち帰った。前半は圧倒されるも盛り返し、最後には逆転ゴールを挙げるチャンスすら作る。監督交代後も不振が続く彼らが、ユーベ相手に起こしたサプライズ。しかしそれは、引き寄せるべくして引き寄せた結果だった。
強気に最終ラインを高く上げ、コンパクトな布陣を保ってプレスをかける――マンチーニ監督はこうした方向性の下でインテルの再建を目指しているが、この日はそれを貫いた。立ち上がりに先制点を食らい、その後もアグレッシブに攻めてくるユーベを前にしながらも、CBラノッキアとファン・ジェズスはラインを高くキープし続ける。グアリンや、この日先発に復帰したエルナネスも積極的に守備に参加しボールを奪えば前に出る。守備の不安定だったドドを先発から外し、アジアカップに行った長友の代わりに左SBへ回されたダンブロージオも、積極的な上下動を続けてチームのリズムを作った。もっとも、同じサッカーをさせればユーベに一日の長あり。テベスやボグバは走り回った上で技術を上乗せし、エリア内へ侵入を仕掛けてシュートを放つ。ただ最後にはハンダノビッチが立ちはだかり、失点を防いだ。
そうした姿勢を貫いて勝負を続けたことが、後半に実った。徐々に中盤の運動量で相手を上回るようになり、54分にアーセナルから加入したばかりのポドルスキを投入したことで流れは完全に入れ替わった。[4-2-3-1]の左サイドMFに配置されたドイツ代表は、中盤のパス回しにも絡みつつ、ダンブロージオとともに左サイドを力強く押し込んでいく。ユーベの最終ラインは圧力に負けて下がり、守備組織がルーズに。すると64分、インテルは見事にそこを突いた。中盤の深い位置でボールを奪ったグアリンは、縦へ走り込んだイカルディに長いスルーパスを入れる。これまでにユーベから4得点を奪っているイカルディは、見事にボヌッチの裏を取り、飛び出したブッフォンの逆を突いて冷静にボールをゴールへ流し込んだ。