プレミアリーグ第8節の強豪対決、マンチェスター・シティ対トッテナムは4-1でホームチームが勝利を収めた。
過去3季の6戦中、4戦が計5ゴール以上で決着と撃ち合いが繰り広げられてきたカードは、今季も期待を裏切らなかった。序盤からスコアは動き、20分の時点ですでに3ゴール。その後お互いに1本ずつPKを外さなければ、さらにハイスコアの試合になっていた。今回、こうしたゲーム展開になった理由を挙げるとすれば、トッテナムがいわゆる“自分たちのサッカー”で格上シティに挑んだからだ。
前線からハイプレッシャーをかけ、リスクを気にせずに最終ラインを上げて全体をコンパクトに。ボールを奪えば短いパスを繋ぎ、ショートカウンターで得点を狙う。そのサッカーが機能している時間帯もあった。第6節のノースロンドンダービー(1-1)でリーグ戦デビューを果たした若手MFメイソンが起点となり、最前線のソルダード、2列目のラメラ、エリクセン、シャドリが絡んでシティゴールに迫る。実際、トッテナム唯一のエリクセンによる得点(20分)は、高い位置でボールを奪ってのショートカウンターから生まれている。
ただし、トッテナムの思惑はほとんどの時間、シティの個の力によって翻弄されていたのも間違いない。コンパニのMF顔負けのビルドアップ能力でハイプレスをかいくぐり広大なスペースを作ると、その後はフェルナンド、ランパード(28分にフェルナンジーニョに交代)に加え、下がってさばくシルバが、そのスペースを利用してワイドに展開。相手を揺さぶりながらどんどん敵陣に押し込んだ。
また、横にパスを繋ぐだけでなく、状況に応じて足下へぴたりと付ける縦パスや裏のスペースへのスルーパスを送ることで、突破力のあるアグエロやヘスス・ナバスがドリブルで勝負できる状況を作り上げた。結果、エースのアグエロは、3度あったPKのチャンスを1度外したものの、最終的に4ゴールをマークしてシティの強さを具現化させたのだった。