チェルシーの監督としてジョゼ・モウリーニョの本拠地スタンフォードブリッジにおけるリーグ連勝記録は、78試合目で途切れることになった。ただ、指揮官にすれば記録が潰えた以上に、今季プレミア優勝の可能性が遠のいたことの方が痛かったかもしれない。
残り4試合、首位リバプールを勝ち点2差で追うチェルシーは、ホームにサンダランドを迎えて1-2で敗北。3日後にCL準決勝アトレティコ・マドリー戦の第1レグ(アウェイ)を控えており、リーグ戦に全精力を集中できない難しさはあったと言えるが、シュート35本(うち15本が枠内)を放ちながらも、最下位に沈む格下を攻略できなかった。
開始12分、ウィリアンの左CKにエトーが合わせて先制したまでは良かった。しかし、その後は個々の動きが重く追加点を奪えず。リードを保ったのはわずか6分間で、後半にはバ(59分)、シュールレ(66分)、トーレス(74分)と前線の選手を次々に投入したが、好守を見せた相手GKマンノーネの壁を最後まで崩せなかった。
対照的にチェルシーの最初の失点は、体調不良で欠場したチェフに代わってこの日ゴールマウスに立った、シュウォーツァーのファンブルから生まれたものだ。
サンダランドは、2-2で引き分けた16日の3位マンチェスター・シティ戦に続いて、大きな勝ち点を手にした。先制を許したものの、18分にCKのサインプレーからDFマルコス・アロンソが強烈なシュートを放つと、こぼれ球をFWウィッカムが押し込んで同点とする。82分には、アスピリクエタのミスを逃さなかった途中出場のFWアルティドールがドリブル突破からPKを獲得。これをFWボリーニが冷静にゴール正面に決め、勝ち越しに成功した。
不当にも思えた5分のロスタイムもしのぎ、ホームのチェルシーに土を付けたサンダランドは、これが今季初の逆転勝利。2得点のシティ戦から2戦連続のゴールで好調をアピールするウィッカムは、奇跡の残留に向けた救世主となれるだろうか。
一方のチェルシーでは、ふくらはぎを痛めているアザールが、22日のアトレティコ・マドリー戦も欠場する見込みだという。27日のリーグ次節ではリバプールとの直接対決を迎えるが、CL準決勝2試合に挟まれた厳しいスケジュールが気になるところだ。
(文/栗原正夫)
<監督コメント>
ジョゼ・モウリーニョ(チェルシー)
「(82分のPK判定を不服としてマイク・ディーン主審へ皮肉を込めて)彼のパフォーマンスは、アンビリーバブルだった。そして、審判団のチーフであるマイク・ライリーにも、おめでとうと言いたい!」
グスタボ・ポジェ(サンダランド)
「誰も我われに期待していなかっただろう。だがサンダランドは、ミッドウィークのマンチェスター・シティ戦で結果を残し、ここでチェルシーを倒した」