20日にカンプノウ改築計画の詳細を発表したバルセロナだったが、その3日後にネイマール獲得時の資金不正流用を疑われていたサンドロ・ロセイ会長が辞任。夢あふれるクラブの未来を示した直後に起きた会長の退任ニュースは、スペイン国外でも大きく報じられた。
副会長から昇格したジョセップ・マリア・バルトメウが会長席に座る中、カンプノウで行われた26日のマラガ戦。バルセロナの選手たちはクラブが受けたショックを吹き飛ばすかのようなプレーで序盤からボールを支配し、相手を圧倒した。
人数を割いてゴール前を固めたマラガに対し、バルセロナは裏への対応力を欠く左SBアントゥネスのいるサイドから崩しにかかる。9分にアレクシス・サンチェスが放ったシュートはポストを叩いたものの、2分後に再びA.サンチェス、25分にはダニエウ・アウベスが同サイドから切り崩し、ゴールに迫った。
これらのチャンスで決め切れずにいるうちマラガに同サイドの守備を強化されるが、これで相手の逆サイドが手薄に。すると今度は右SBアンヘレリが守る側を攻め立てる。GKカバジェロの好守もあってゴールネットを揺らすまで時間はかかったが、40分にCKからピケが先制した。
1-0とリードして迎えた後半はさらにポゼッションを高めて(73%)揺さぶりをかけ、相手がプレスをかけてくればうまくいなしてその体力を奪う。マラガの選手たちが守備に追われて次第に動けなくなりゴール前で棒立ちとなると、そこをパスワークで突破して得点するというバルセロナのいつものパターンに。55分、メッシのラストパスを受けたペドロが2点目を奪う。61分にもメッシが相手守備陣を引きつけてから左のペドロにパスし、その折り返しをA.サンチェスが難なく決めて勝負あり。試合はそのまま3-0で終了した。
リーガではアトレティコ・マドリー、レバンテに連続して引き分けていたバルセロナだが、3試合ぶりに勝ち点3を獲得。「いろいろと言われているけど、僕らはいつも通りのプレーをして勝ち続けることが大事」(ピケ)という選手たちの思いを象徴する試合だった。
(文/一色伸裕)
<監督コメント>
ヘラルド・マルティーノ(バルセロナ)
「(ロセイ会長退任に対する)チームの反応は、言葉で話すことではなくピッチの中にある。この1週間はいろいろなことがあったが、選手たちはピッチ上でプロ意識を見せてくれた。彼らは目標に向かって集中している」
ベルント・シュスター(マラガ)
「我われを取り巻く状況(残留争い)は変わっていない。来週にはセビージャとの大事な試合があり、その次はラジョ戦。ここでポイントを積み重ねる必要がある。マラガのリーガは、ここからが始まりだ」