25日、イタリア代表に初招集されたサンプドリアのFWエデルが、代表選手の出自について自身の見解を示した。イタリア各紙がこれを一斉に報じている。
事の発端はインテルの監督を務めるロベルト・マンチーニの発言。今回イタリア代表にはブラジル出身のエデルと、アルゼンチン出身で現在パレルモでプレーするFWフランコ・バスケスが初招集されていた。これを受けてマンチーニは「個人的な意見」と前置きした上で「彼らは代表にふさわしくない。イタリア代表はイタリア出身の選手がプレーするべきだ」と外国出身者の代表招集に否定的なコメントをしていた。
これを機にイタリア国内では外国生まれの代表選手に関する議論が噴出。彼ら2人を招集したイタリア代表監督のアントニオ・コンテは「様々な意見があることは尊重するが、彼らのような選手を招集するのはこれが最初ではないし、最後でもないだろう。これはあくまでもルールだ」と反論すると、元イタリア代表監督マルチェロ・リッピも「私たちは(アルゼンチン出身の)カモラネージとともにW杯を制覇した」と、2006年ドイツW杯優勝メンバーである功労者を引き合いに出し、コンテの意見に同調した。
こうした意見が飛び交う中、渦中のエデルは「イタリアにはいまだに出自に関する多くの先入観があるようだ。この国にはドイツやフランスとは異なる文化がある。僕は自分の意志でこのユニフォームを選んだし、大きなモチベーションも抱いている」と持論を展開しつつ、イタリア代表で活躍することへの意欲を見せた。
また、外国出身者がイタリア代表に入ることへの反対意見については「そんなの馬鹿げている。カモラネージはかつて何度もイタリアを救ったはずだ。僕も彼の後を追い、彼のようになりたい」と意に介していない。
イタリア代表は28日にアウェイでEURO2016予選ブルガリア戦を、31日にはホームでイングランドとの親善試合を戦う。