ニューカッスルを率いるアラン・パーデュー監督が、ファンから批判を受けているアーセナルのアルセーヌ・ベンゲル監督を擁護した。『ESPN』など複数メディアが伝えている。
ここ最近、ベンゲル監督に対するファンの風当たりは強い。スタジアムの客席には「さよならを言う時だ」といった横断幕が掲げられ、先週のストーク戦(3-2で敗戦)後には駅のホームで「我われのチームから去れ」との野次が飛ぶなど、批判は徐々にエスカレートしている。
そんなベンゲルに、同業者から擁護の声が上がった。13日にアーセナルと対戦するニューカッスルのパーデュー監督だ。パーデューは駅での一件を引き合いに「非常に無礼な出来事だ」とコメント。続けて「アーセナルファンの90%はこのことを恥ずかしく思っているだろうし、反発が起こるだろう」と、一部の過激なファンを非難した。
さらには、「エミレーツスタジアムには『アルセーヌ』の名を冠するべきだ」として、これまでにフランス人指揮官がアーセナルで成してきた仕事が、いかに偉大なものであったかを強調。「スタジアム移転で借金があり、移籍の予算も限られていたというのに、毎年チャンピオンズリーグにチームを導き続けたのは奇跡とも言えるだろう」とその理由を述べている。
ニューカッスル在任5年目のパーデューは、現在プレミアリーグの指揮官の中ではベンゲル(19年目)に次ぐ長期政権を築いている。しかし彼自身、今季は開幕8戦目まで勝ち星がなく批判の声にさらされていた。パーデューからすれば、長期間にわたりチームを率いることの難しさは痛いほどわかるに違いない。過去にはマンチェスター・シティのペジェグリーニ監督に「くたばれ老いぼれ監督!」と食ってかかってみたり、相手選手に頭突きをかましてみたりと時に気性の荒さが顔をのぞかせることもある指揮官だが、10年以上にわたり名門を率いるベンゲルへの尊敬の念は強いようで、「ファーガソン退任後、プレミアリーグで最も優秀な監督だ」とも語っている。
前節で無敗だった首位チェルシーに土を付けたニューカッスルは、ここ8試合で6勝と絶好調。6位にアーセナル、7位にニューカッスルと続いているが、勝ち点は23で並んでいる。パーデューは週末のアーセナル戦に向けて「アルセーヌのチームはとても強い、私は試合がタイトになると思うので、少し保守的なゲーム運びをする」とコメントしている。
ニューカッスルがアーセナルを叩けば、パーデューが擁護するベンゲルへの批判はますます強まることになりそうだが……今週末に対峙する両者の表情にも注目してみたい。