21日、スカパー! が開催した「第1回スカパー! メディアラウンドテーブル」に、元日本代表監督で現在はFC今治のオーナーを務める岡田武史氏が出席。スカパー!にて全26試合が生中継され、岡田氏も解説を務める「コパ・アメリカ チリ2015」の見どころを語った。
コパ・アメリカについて、「(欧州王者を決める)EUROに並ぶ大会」だと切り出した岡田氏は、「参加する選手の多くがヨーロッパのクラブに所属するようになってきていますが、不思議なことに南米らしい、勝ちにこだわるサッカーになる」と、この大会ならではの魅力を説明。
続けて、大会の注目ポイントとして「メッシはもちろんですが、今季ひと皮むけた印象があるネイマールやハメス・ロドリゲスなど、(昨年の)ワールドカップの後に出てきたスター」を挙げた岡田氏。そこから話が優勝国に及ぶと、「実は、私はチリにしたんです」と大胆予想。その理由を「昨年のワールドカップでは、チリとメキシコにかなり惹かれました。チリは今回開催国ですし、十分にあり得るんじゃないかと思っています」と解説した。
また、南米の文化に関する体験談を問われた岡田氏は、2つのエピソードを披露。1つ目は昨年のワールドカップの解説でブラジルを訪れた際の出来事で、「ブラジル戦の時には街じゅう黄色のユニフォームを着た人であふれていて、ブラジルが点を取ったら試合(中継)を見ていなくてもすぐにわかるほどでした。それが敗退の翌日になると、まるで何事もなかったようにみんな歩いていて、この切り替えの早さは南米らしいなと思った」そうだ。
もう1つは、かつてアルゼンチンに8年間ほど住んでおり現在はスペインでコーチをしている友人の体験談で、「アルゼンチンで強盗に襲われた時、腕に入れていた『マラドーナ』のタトゥーを見せたら『よし、行っていいぞ』と言われあっさりと解放された」というもの。話を聞いた時には真偽を疑ったそうだが、「あれだけ悪いことをしても、いまだに英雄ですよね。日本だとこうはいかない。これが南米ですよね」と驚きを交えて語った。
その後、あらためて南米サッカーの特徴について尋ねられた岡田氏は、「昔は『組織のヨーロッパ、個の南米』と言われましたが、今はだいぶ組織化してきていてチリやメキシコなどは(チームとして)良いサッカーをしていると思います。ただそれでも、個を生かすことは忘れないですよね」とコメント。さらに「人のことをあんまり言うと怒られるけど」と前置きした上で、「アルゼンチンはテベスを入れた方が、メッシをもっと生かせると思います」と、監督目線での展望を少しだけ披露して解説を締めくくった。
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スカパー!では5月25日から、コパ・アメリカ過去大会を一挙放送。6月12日から7月4日にかけて行われる大会期間中は、全26試合の生中継をはじめハイライト番組や座談会特番など充実した関連番組も見逃せない。
詳しい放送スケジュール等はスカパー! コパ・アメリカ公式ページでご確認ください。