選手の出来や監督の采配が分析されるように、
審判のパフォーマンスもまた評価の対象であって然るべき。
前回南アフリカW杯でも全64試合をチェックしジャッジングを分析した『footballista』編集長の木村浩嗣が、判定の内容とその正誤を、審判のたたずまいや在り様も含めてジャッジする。
【SF オランダ 0-0 (PK 2-4) アルゼンチン】
主審
ジュネイト・チャキル(トルコ)
副審
バハティン・ドゥラン(トルコ)
タリク・オングン(トルコ)
ファウル数
オランダ:15/アルゼンチン:10
イエローカード
オランダ:2/アルゼンチン:1
レッドカード
オランダ:0/アルゼンチン:0
唯一リスクを負ったのが、イグアインとアグエロにフェイントを仕掛けたオランダのGK。攻める気がないのなら、いきなりPK戦をやればいいじゃないか、と言いたくなるリズムの低さと緩さはチャキルを助けた。スピーディーな攻防はゼロ。時々あるオフサイドとラフプレーだけに気を付けておけば良かったからだ。が、それでも両チームを満足させる笛は吹けなかった。イエローをぎりぎりまで我慢した挙句、出し始める前とその後で規準が食い違い、どちらにも損をしたという印象を与えてしまったからだ。UEFAが高く評価する審判だが、今大会もそこまでの良さがわからなかった。
(文/『footballista』編集長 木村浩嗣)