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Photo: Getty Images

2017.05.11 15:00

REVIEW

UEFA CHAMPIONS LEAGUE / SF 2nd leg

アトレティコの堅守と希望を粉砕したベンゼマの突破

勝負を分けたワンプレー:Aマドリー 2-1 Rマドリー


UEFAチャンピオンズリーグ全試合を放送する『スカパー!』と『footballista』がコラボレーション。注目カードの勝敗を分けたポイントを、『footballista』執筆陣が詳細に分析する。


 早い時間帯に2ゴールを奪い逆転への希望を膨らませたアトレティコ・マドリーだが、ベンゼマのスーパープレーが生み出したゴールによって打ち砕かれた。

 相手DF3人に追い込まれながら冷静にゴールライン際のわずかなスペースを見出し、すり抜けるように突破したベンゼマの個人技は見事と言う他ない。それでも、守備陣の対応にミスがなければ防げたプレーだったと考えられる。

 42分、ロナウドが素早いスローインを右SBヒメネスの裏に送り、ベンゼマが右CBサビッチのマークを引き連れて左サイド深くでボールをキープ。この時慌ててカバーに向かったヒメネスに加え、左CBのゴディンまでもが持ち場を離れてベンゼマを囲いに行く必要はなかった。

 しかもサビッチがベンゼマに体を寄せ過ぎたため、入れ替わる形で縦に抜け出された。コーナー付近に追い込んだ後もサビッチ以外の2人がまったくカバーの役割を果たしておらず、ゴールライン際のスペースを突破されている。

 4バックのうち3人が置き去りにされれば、ゴール前の守備が後手後手になるのも当然だ。ベンゼマのマイナスパスを受けたクロースのシュートは何とかオブラクが弾いたものの、イスコにこぼれ球を押し込まれた。

 序盤に猛攻を仕掛けてゴールを奪い、後半半ばまで無失点を保てば勝機が見えてくる。シメオネはそんな青写真を描いていたはずだ。

 前線で体を張れるフェルナンド・トーレスを先発起用し、ロングボールを多用して押し込んでいく強引な攻撃で先手を取るまでは狙い通りの展開だった。

 12分にCKからサウールのヘッドで先制。16分には前線へのロングボールをグリーズマンが競り、セカンドボールを拾ったところからエリア内のフェルナンド・トーレスに繋いでPKを獲得。2試合合計スコアで並ぶまであと1ゴールと迫った。

 だがその後は個々の打開力に優れたレアル・マドリーのMF陣が厳しいプレスをかいくぐり、ポゼッションの時間を増やしてゲームを落ち着かせ始める。並行してプレスの勢いが落ちてきたアトレティコは徐々に守備ラインを下げざるを得なくなるも、7分のFKでカセミロにフリーでヘッドを許した以外は相手をノーチャンスに抑えることができていた。

 あのまま後半半ばまで2-0のスコアをキープできていれば、徐々にマドリーは守りの意識が強くなり、アトレティコに付け入る隙が出ていたかもしれない。

 だがすでに主導権を握り始めていたマドリーは、あのゴールで完全に自信と落ち着きを取り戻し、後半もイスコやモドリッチを中心に中盤を支配し続けた。

 アトレティコもフルパワーで戦った前半の代償として徐々に運動量が落ちる中、相手守備陣の穴であるダニーロのサイドにカラスコを当てて数度のチャンスを作り出したものの、ケイラー・ナバスの好守に阻まれゴールには至らなかった。

 攻撃面では良い意味での強引さを取り戻したアトレティコだが、第1レグに続いて守備の綻びが致命傷になった。

 とはいえ絶望的な状況下でも気持ちを切らすことなく、最後まで戦う姿勢を貫いた選手たちの健闘は讃えるべきものだ。試合後も大声援を送り続けたファンの献身も含め、ビセンテ・カルデロン最後のマドリッドダービーにふさわしい好ゲームだった。

(文/工藤 拓)



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6月3日の決勝もレビュー予定、お楽しみに!

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