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Photo: Getty Images

2017.04.13 19:00

REVIEW

UEFA CHAMPIONS LEAGUE / QF 1st leg

退場を誘発した名手2人の判断ミス

勝負を分けたワンプレー:バイエルン 1-2 レアル・マドリー


UEFAチャンピオンズリーグ全試合を放送する『スカパー!』と『footballista』がコラボレーション。注目カードの勝敗を分けたポイントを、『footballista』執筆陣が詳細に分析する。


 ハビ・マルティネスにとっては悔やんでも悔やみ切れない場面かもしれない。1–1で迎えた61分、ハーフウェイラインを少し超えたあたりで、ドリブルを仕掛けてきたロナウドと1対1の場面を迎える。自身の背後には広大なスペースが広がっており、純粋なスピード勝負では太刀打ちできない。それを百も承知のスペイン代表CBは少しでもロナウドを自陣ゴールから遠ざけるべく、半身の態勢(中を切る形)でタッチライン際へと誘導しようとした。しかし、名手ロナウドがその“罠”にかかるはずがない。

 ベンゼマからパスを受けたロナウドは、3タッチ目に一気にギアを上げる。タッチライン際に誘おうとするハビ・マルティネスの思惑をよそに、アウトサイドを駆使した切り返しで中央部へと進行方向を変えた。このギアチェンジが見事だった。完全に裏を突かれる形になったハビ・マルティネスはファウルで止めるのが精一杯。そして、このファウルがこの日2枚目のイエローカードとなり、レアル・マドリーと一進一退の攻防を繰り広げていたバイエルンの数的、精神的な劣勢を招いてしまった。

 もっとも、ハビ・マルティネスとロナウドの1対1というシチュエーションを作ってしまったのは、他ならぬバイエルン自身だ。そもそもマドリーにボールが渡ったのはラームのクロスをはじき返されたからだったが、この時エリア内には相手選手が6人いたのに対し、バイエルン側はミュラーとビダルの2人だけ。変哲もないクロスがチャンスになる可能性は低かった(マドリーの1点目がカルバハルの機転の利いたクロスから生まれたのとは対照的だった)。さらに、カウンターの口火を切るパスを送ったクロースに対するシャビ・アロンソの寄せも一歩遅れている。

 その結果、後方に控えるバイエルンの選手はイェロメ・ボアテンクとハビ・マルティネスのみとなり、被カウンター時にベンゼマとロナウドと2対2という危険な場面を生み出してしまったのだ。

 10人になったバイエルンは70分から1分ごとにシュートを浴びる苦境に立たされる。数的不利のチームに巻き返す術はなく、77分、ついに決勝ゴールを献上。その後は失点ゼロで乗り切ったものの、ノイアーの好守がなければ1-2という僅差での決着はあり得なかったはずだ。ハビ・マルティネスの退場が勝負の行方を大きく左右したのは間違いないが、退場シーンの直前における2人の名手、ラームとシャビ・アロンソの判断にも議論の余地が残っているのではないだろうか。

(文/遠藤孝輔)



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