SEVvsLEI_review

Photo: Getty Images

2017.02.23 18:30

REVIEW

UEFA CHAMPIONS LEAGUE / R16 1st leg

レスターを“招待” セビージャの決断が呼んだ印象と結果のギャップ

セビージャ 2-1 レスター


UEFAチャンピオンズリーグ全試合を放送する『スカパー!』と『footballista』がコラボレーション。注目カードの勝敗を分けたポイントを、『footballista』執筆陣が詳細に分析する。

 印象と現実は違う。70%のボールを支配しPKを誘い10本のシュートを放ち、GKのセルヒオ・リコがほとんど観客と化していた前半のセビージャは、自分たちの方がかなり上だと感じてロッカールームに戻ったのではないか。PKを外したことで「2-0だったはず」という後味も残っていたはずだ。

 サプライズ起用された22歳のコレアがボールを奪ってPKスポットに向かったことには、驚いた人もいるかもしれない。これには伏線がある。今のセビージャには明確なPKキッカーのヒエラルキーが存在しないのだ。今季PKキッカーを務めたことのある選手のうち、コレアに先発を譲る格好となったチーム得点王のベン・イェデルと主将イボーラはベンチスタートで、いつもならキッカーを買って出るナスリは前回のPK(リーガ第21節ビジャレアル戦)を蹴って外している。残るヨベティッチとビトロ、サラビアの3人の中であれば最近絶好調でこの日も先制点を挙げたサラビアが責任を負うべきだったが、若者の過信を前に譲ってしまった。

 45分間を終えたリーガ3位のセビージャとプレミア17位のレスターには、1-0というスコアが奇妙に思えるほどの差があった。それで油断したのか後半セビージャはインテンシティを下げ、レスターが徐々にセビージャゴールに近づき始める。

 それでも、ロングボールをキープし2人のDFを引きつけてから絶妙なアシストを出したヨベティッチの個人技で、セビージャが追加点を手にして2-0。直後にはゴールを奪いPKのミスを帳消しにしたかに見えたコレアに代えてイボーラを投入して守備固めに入った。が、この交代策によるメッセージが裏目に出たのか、セビージャはさらにインテンシティとDFラインを下げた。残り30分間逃げ切れると思ったのだろうが、それが後のなくなったレスターを自陣に“招待”し勢いづかせる形になった。

 第2レグに大きな意味を持つレスターのアウェイゴールのシーンでは、セビージャの選手がファウルを犯すのを恐れてボールウォッチャーとなり、連続でパスを繋がれた。まるでパスを繋がれるよりもファウルすることの方が危険であるかのように。左サイドにDFが引き出され、逆サイドからフリーで走り込んだバーディーがネットを揺らした。セカンドボールをことごとく拾われ、競り合いのボールもレスター側にこぼれたのは、前向きになったチームと後ろ向きになったチームの差が出たということだろう。

 グラウンド上で起こったことを冷静になって振り返れば、リードして敵地に向かうセビージャの優位は変わらないと思う。だが、スコアを見るとレスターが突破の足がかりをつかんだとも解釈できる。負けたのに大喜びするレスターファンと、勝ったのに堅い表情で家路を急ぐセビージャファン。ノックアウトラウンドならではのちぐはぐな余韻が残った。

(文/木村浩嗣)



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