BAYvARS_review

Photo: Bongarts/Getty Images

2017.02.16 18:00

REVIEW

UEFA CHAMPIONS LEAGUE / R16 1st leg

大一番で表した本性。バイエルンがアーセナルを一蹴

バイエルン 5-1 アーセナル


UEFAチャンピオンズリーグ全試合を放送する『スカパー!』と『footballista』がコラボレーション。注目カードの勝敗を分けたポイントを、『footballista』執筆陣が詳細に分析する。

 今年に入ってからのバイエルンは、苦しい試合を続けていた。ブンデスリーガ第19節シャルケ戦ではホームで引き分けてしまい、第17節フライブルク戦と第20節インゴルシュタット戦はともに終了間際のゴールによる薄氷の勝利。『ビルト』紙からは「運頼みのバイエルン」と揶揄されており、このアーセナル戦でも相当な苦戦が予想されていた。

 だが、そうした格下相手の不甲斐なさは、アンチェロッティ監督にとっては織り込み済みだったのかもしれない。ミュンヘンでの一戦で、バイエルンは別人のようなパス回しでアーセナルを圧倒した。

 開始直後から、バイエルンの集中力は普段のブンデスリーガでのそれとはまったく異なるものだった。パススピードが速く、全体をコンパクトにする意識が高く、ボールを失っても一気に囲い込んで奪い返す。

 彼らの集中力がいかに研ぎ澄まされていたかを物語るのが、アーセナルの組織的なプレスをかわし、DFフンメルスがトップ下のチアゴ・アルカンタラへと40m級の縦パスを通した2分のプレーだ。このシーンに象徴されるように、プレスがかからないため次第にアーセナルの選手たちの足が止まり、バイエルンはボランチのシャビ・アロンソを含め後方から面白いようにロングパスを通すことができた。11分にロッベンが右サイドから切り込んで先制点を決めたのは、当然の流れだった。

 この日のバイエルンは判定に恵まれず、29分、CKのボールをレバンドフスキが胸トラップしてクリアしようとした際、後方から割って入ったコシエルニーを蹴る形になりPKの笛を吹かれてしまった。GKノイアーがサンチェスのキックを1度は止めるも、こぼれ球を押し込まれ同点にされてしまう。

 だが、集中のスイッチが入ったバイエルンに、もはや運は必要なかった。53分、反撃に出たアーセナルの隙を突き、GKノイアーがゴールキックから素早くリスタート。後退しながらの守りを強いられ態勢が整っていないアーセナル守備陣をあざ笑うかのように、ラームのクロスをレバンドフスキが頭で合わせて勝ち越した。

 以降はバイエルンのゴールショーに。56分、シャビ・アロンソの縦パスをレバンドフスキがヒールでゴール前に流し、抜け出したT.アルカンタラが悠々ネットを揺らすと、スペイン代表MFは63分にもCK後のこぼれ球を押し込んでダメ押し点を挙げる。終了間際には不調に陥っているミュラーが途中出場からゴールを決め、仲間たちから祝福を受けるというおまけつきだった。

 試合後、ロッベンは「こんなに良いとは、少し驚いている」とコメント。それほどバイエルンの攻撃は圧倒的だった。

 前任者のペップ・グアルディオラ時代、バイエルンはすべての試合を100%で戦い、常に内容を高めようとしていた。一方、イタリア人のアンチェロッティは、シーズンを通したペース配分の方が大事だと考えているのだろう。格下相手の苦戦を許容し、「チャンピオンズリーグが最も大事」という宣言通り、この大会では集中力のスイッチを入れる。

 今季のバイエルンは、大一番になるほど力を発揮するチームになるかもしれない。

(文/木崎伸也)



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