グアルディオラ総論
彼でないことが、彼であり続けるための条件だった。
インタビューを拒否するペップ・グアルディオラの代弁者となった話題作『キミにすべてを語ろう』から2年……。「ドイツ×ペップ」の化学変化はさらに進み、やがてまったく新しいサッカースタイルが誕生した。「私は今の方がいい監督だ」。異例の密着取材を続けた著者だからこそわかる、監督ペップの葛藤と進化。変革者はドイツで何を学び、そしてマンチェスター・シティで何を成そうとしているのか――グアルディオラ研究の決定版！
＜目次＞
序章
第一章 カメレオン
第二章 なぜ、シティなのか?
チキとソリアーノのせい
第三章 ドイツがペップを変えた
練習へのフォーカスの仕方／ディテールと準備に掛ける情熱／イデオロギー的折衷主義／確固とした観点／革新的な姿勢／コピーを困難にする障害
第四章 なぜより良い監督なのか?
教義よ、さようなら／スイスの多目的ナイフ／適応と学びのプロセス／キミッヒをCBに。偶然と勘と大胆さ／ペップのルール／主導権を握る(カスパロフによる)／ポジショナルプレー、配置ゲーム／局面の間／補完し合う選手／スピードと間／おびき寄せることと開くこと
第五章 ドイツサッカーへのペップの影響
ペップのブンデスリーガへの貢献／トゥヘル、潜在的な継承者／ドイツ代表への影響／選手たちの成長
第六章 戦略的プラン
プレーモデル／ゲームプラン／チームのカルチャー／シティズンのスピリッツ／彼の味方=選手たち
第七章 生き抜いた逆境
医療のカルチャー／グアルディオラのパーソナリティ
第八章 タレント発掘の職人としての監督
タレントは習慣によって育つ／サッカーにおける記憶の重要性／言葉とは混乱を招く武器である／言語としてのサッカー。言語を超えて／知識を伝承する／本能的なプレー
第九章 負けざるを得ないから負け方を選ぶ
サッキのチーム／頭を痛めたこと／フレッシュでいるためにローテーションする／最後の敗北／綻びを探して／戦い前の風景／ボロボロで茫然自失／友よ、誰もペレでさえも常勝ではない
第十章 芸術家の魂、合理的なメンタリティ
アイディアの泥棒／ロマンチックな結果主義者／青いペップ
第十一章 シティは獰猛な競争者を雇った
エベレストの後には何がある?／馬鹿になったかのように走れ／レデッキー、油断するな／セレモニーのための服を着て、戦いの準備をする
第十二章 勝利の過食
波長の合う者が並べられているか?／理解したいと思う者は理解するだろう
第十三章 最大の挑戦
グアルディオラのシティはどんなプレーをするか?／我慢強くプレーしウインガーとともにプレーする／プレミアリーグで何が待っているのか?
第十四章 時間、この偉大な彫刻家
サッカーは常時変化する／時は飛ぶ
訳者あとがき（木村浩嗣）
＜著者プロフィール＞
マルティ・ペラルナウ
Martí Perarnau
1955年バルセロナ生まれ。走り高跳びでスペイン王者となりすべての年代の記録を塗り替え、1980年モスクワ五輪出場を果たした。いくつかの新聞のスポーツ部門や『スペイン国営放送カタルーニャ』ではサッカー番組『エスタディオ2』を率いた。20年以上前からマネージメントの世界にも飛び込み、1992年バルセロナ五輪のメディア本部長を務めた後、マドリッドで音響映像会社数社のGMに就任。バルセロナの下部組織ラ・マシアへ向けた『王者への道』を出版した他、前著『ペップ・グアルディオラ キミにすべてを語ろう』は世界14言語に翻訳された。
＜訳者プロフィール＞
木村浩嗣
Hirotsugu Kimura
元『月刊フットボリスタ』編集長。スペイン・セビージャ在住。1994年に渡西し2006年までサラマンカに滞在。98、99年スペインサッカー連盟公認監督ライセンス（レベル1、2）を取得し少年チームの指導開始。06年に帰国し、海外サッカー週刊誌（当時）『フットボリスタ』編集長に就任。08年に再びスペインへ渡り15年7月まで“海外在住編集長&特派員”を務めた後フリー。セビージャ市内のサッカースクールで指導中。15年以降シッチェス・ファンタスティック映画祭を取材。主な著書は『フットボリスタ主義』、『フットボリスタ主義2』、訳書には『ラ・ロハ スペイン代表の秘密』『モウリーニョ vs レアル・マドリー「三年戦争」』『サッカー代理人ジョルジュ・メンデス』『シメオネ超効果』（いずれもソル・メディア）がある。
＜書誌情報＞
定価：1760円（10%税込）
発行：ソル・メディア
発売日：2017年5月16日
仕様：四六判／並製／400頁
ISBN：978-4-905349-32-7
＜ご購入はこちら＞
